ローストポークを作る時、「どの豚肉の部位を選べば良いの?」と悩んだことはありませんか。
せっかく手間をかけて調理しても、選ぶ部位によって食感や味、仕上がりが大きく変わってしまうのがローストポークの難しさです。
そこで本記事では、ローストポークに最適な豚肉の部位や選び方のポイント、さらに各部位ごとのおすすめのレシピまで、知りたい情報を分かりやすく解説します。
気になるカロリーや栄養面、失敗しない購入時の注意点もご紹介しますので、どなたでも美味しいローストポークが作れるようになります。
これからご紹介する「ローストポークに使う豚肉の部位選び」の極意を、ぜひご覧ください。
ローストポークに使われる豚肉の人気部位と選び方

ローストポークは豚肉の旨みを活かした料理であり、使う部位によって味や食感が大きく変わります。
肉本来のジューシーさや柔らかさ、コクなどを引き出せる部位を選ぶことで、家庭でも本格的な味わいを楽しむことができます。
どの部位を使うかは、好みや調理シーンによって選び分けるのがおすすめです。
肩ロース
肩ロースは脂と赤身のバランスが良い部位です。
適度な脂身があるため、焼き上がった際にジューシーな仕上がりになります。
しっかりとした旨みがあり、ローストポークにしたときの満足感は抜群です。
価格も手ごろなことが多く、家庭で作る際にも使いやすい部位です。
ロース
ロースはきめ細かい肉質とほどよい脂身が特徴です。
あっさりとした味わいで、噛み締めるほどに豚肉の甘みが広がります。
脂っこいのが苦手な方や、さっぱりとしたローストポークにしたい方におすすめです。
- 肉質がやわらかい
- 脂と赤身のバランスが抜群
- クセが少なく幅広い料理に使える
ヒレ
ヒレは豚肉の中でも特に脂肪が少なく、非常にやわらかい部位です。
脂身が苦手な方や、ヘルシー志向の方にも向いています。
ジューシーさには欠けますが、しっとりとした上品な仕上がりになります。
淡白なのでソースを工夫すると美味しく楽しめます。
バラ
バラは脂身が多く、コクと旨みが強い部位です。
しっかりとした味わいとトロけるような食感が特徴です。
加熱すると脂がとろけてジューシーなので、濃厚なローストポークを好む方におすすめです。
ただし、脂が多いので軽めに仕上げたい場合は薄切りを使うと良いでしょう。
モモ
モモは赤身が豊富で脂肪分が少なめの部位です。
しっかりとした噛みごたえがあり、さっぱりとした仕上がりになります。
脂を控えたい健康志向の方や、大人数向けのメニューにおすすめです。
価格も比較的安価でコスパの良さも魅力です。
各部位の食感と味の違い
部位 | 食感 | 味の特徴 |
---|---|---|
肩ロース | やわらかくジューシー | コクがあり旨みが強い |
ロース | きめ細かくしっとり | あっさりした甘み |
ヒレ | 非常にやわらかい | 淡白で上品 |
バラ | とろけるような脂身 | 濃厚でコク深い |
モモ | しっかり歯ごたえ | さっぱりしている |
加熱に適した部位の特徴
ローストポークには、加熱してもしっとりと仕上がる肩ロースやロースが特に向いています。
ヒレやモモもローストポークにできますが、加熱しすぎるとパサつきやすいので低温でじっくりと焼くことがポイントです。
バラは脂が多いため、焼いた際にジューシーさが際立つ部位です。
それぞれの部位の特徴を活かし、好みやシーンに合わせて選んでみましょう。
ローストポーク向き部位の選び方ポイント

ローストポークを美味しく仕上げるためには、使用する豚肉の部位選びがとても重要です。
部位によって仕上がりの食感や風味が大きく変わるので、ポイントを押さえて選びましょう。
脂身のバランス
ローストポークでは、赤身と脂身のバランスが美味しさの決め手となります。
脂身が多すぎるとしつこくなり、少なすぎるとパサつきやすくなります。
おすすめは、脂と赤身の層がバランスよく重なる「ロース」や「肩ロース」などの部位です。
- ロース:ほどよい脂身があり、上品な味わい
- 肩ロース:脂が適度に入り、ジューシーな仕上がり
- ヒレ:脂身が少なめでヘルシー志向の方におすすめ
家庭で作る場合は、部位による脂の入り方をよく観察してみましょう。
肉質のやわらかさ
ローストポークには、やわらかい肉質の部位が向いています。
硬い部位を選んでしまうと、焼いたときに噛み応えが強くなり、食べにくくなります。
以下の表で、代表的な豚肉部位の肉質の特徴を比較してみましょう。
部位 | やわらかさ | おすすめ度 |
---|---|---|
ロース | やわらかい | ◎ |
肩ロース | やややわらかい | ◎ |
モモ | やや硬い | ○ |
バラ | やわらかいが脂多め | ○ |
ヒレ | とてもやわらかい | △(脂が少ないため) |
やわらかさを重視したい場合は、ロースや肩ロースを中心に選びましょう。
仕入れやすさ
日常的に作る場合や初心者の方は、手に入りやすい部位を選ぶことも大切です。
スーパーや精肉店で安定して購入できる部位のほうが、レシピも豊富で調理もしやすくなります。
仕入れやすいロース、肩ロース、モモなどは、価格も比較的安定していて使い勝手が良いです。
また、近年はヒレ肉も人気が高まっており、健康志向の方にはおすすめです。
地域によっては特定の部位が手に入りにくい場合もあるので、お店で確認しながら選ぶのが良いでしょう。
ローストポークの部位ごとのおすすめレシピ

ローストポークは使う部位によって味や食感が大きく変わります。
それぞれの部位の特徴を活かしたレシピで、いつものローストポークがさらに美味しくなります。
どの部位も家庭で手に入りやすいものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
肩ロース使用レシピ
肩ロースは適度な脂身と肉質のバランスがよく、しっとりジューシーな仕上がりになるのが特徴です。
おすすめのレシピは「あらびき胡椒のローストポーク」です。
- 豚肩ロースブロックに塩・あらびき胡椒・ニンニクをすりこみ、数時間おく
- オーブンでじっくり低温で焼き上げる
- 焼きあがったらアルミホイルで包み、余熱でしっとりさせる
コツは焼く前に室温に戻すことと、余熱でじっくり火を通すことです。
肩ロース特有のコクと柔らかさを存分に楽しめるレシピです。
ロース使用レシピ
ロースは脂が少なくあっさりとした味わいで、幅広いアレンジが楽しめます。
グリルやオーブンで焼くときに余分な脂が落ち、ヘルシーに仕上がります。
材料 | 分量 | ポイント |
---|---|---|
豚ロースかたまり | 500g | 脂身少なめを選ぶとさっぱり仕上がる |
塩・砂糖 | 各大さじ1/2 | 下味の基本 |
ハーブ(ローズマリーなど) | 適量 | 爽やかな香りをプラス |
ロース肉は塩と砂糖で下味をつけ、一晩寝かせるとよりしっとり仕上がります。
ハーブを使えば風味がアップし、食欲をそそります。
さっぱり派におすすめのローストポークです。
ヒレ使用レシピ
ヒレ肉は脂がほとんどなく、柔らかく上品な味わいが魅力です。
贅沢なおもてなしメニューとしてもぴったりです。
おすすめは「ヒレ肉の塩麴ローストポーク」です。
ヒレ肉全体に塩麴を塗って一晩漬け込み、弱めのオーブンでじっくり火を通します。
仕上げにカットしてお皿に盛り付け、色とりどりの野菜を添えると華やかになります。
さっぱりとした味付けなので、和風のおかずやサラダとも相性抜群です。
ローストポークを美味しく仕上げる下ごしらえ

ローストポークを作る際は、下ごしらえが仕上がりの味や食感を大きく左右します。
適切な下処理を行うことで、お肉の旨み引き立つジューシーなローストポークになります。
下味の付け方
ローストポークには塩と胡椒のシンプルな味付けが基本ですが、それ以外にもハーブやスパイスを加えることで一層深い味わいになります。
豚肉の表面だけでなく、フォークで数か所穴を開けておくと下味がしっかりと中まで染み込みやすくなります。
下味に使う調味料としては以下のようなものがあります。
- 岩塩やシーソルト
- 黒胡椒やホワイトペッパー
- にんにくやショウガのすりおろし
- ローズマリーやタイムなどのハーブ
- オリーブオイルやごま油
- はちみつや砂糖(コクを加える場合)
材料をなじませたら、表面全体にまんべんなく擦り込み、30分以上なじませるのがおすすめです。
マリネの効果
ローストポークを作る際にマリネ液に漬けることで、肉質が柔らかくなり、風味もグッとアップします。
マリネの材料としては、油分・酸味・香辛料などをバランスよく組み合わせるのがポイントです。
マリネ液の主な材料 | 役割 |
---|---|
オリーブオイル | 肉をしっとりさせる、風味をプラス |
レモン汁や酢 | 肉を柔らかくし、臭みを取る |
ハーブ類(ローズマリー等) | 香りづけと風味アップ |
にんにく・玉ねぎ | 旨味とコクを加える |
マリネは最低でも1時間、できれば一晩漬けておくと、お肉の中までしっかり味が入り込みます。
漬けすぎには注意し、途中で肉を裏返してまんべんなくマリネ液が行き渡るようにすると良いでしょう。
常温戻しの重要性
冷蔵庫から取り出した肉をすぐに調理すると、表面と内部で温度差が大きくなり、焼きムラができたり、火の通りが悪くなったりします。
ローストポークを美味しく仕上げるためには、調理前に必ず肉を常温に戻しておきましょう。
目安としては、30分~1時間ほど室温に置くとよいです。
このひと手間によって、焼き上がりが均一になり、しっとりとした食感に仕上がります。
特に厚みのある部位を使う場合には、常温に戻す工程を省略しないことが重要です。
豚肉部位ごとのカロリーと栄養価

豚肉は部位によってカロリーや栄養価が異なります。
ローストポークに使われることの多い部位ごとに、特徴や栄養成分を知って選ぶことで、健康やダイエット、体づくりに役立ちます。
ここでは特によく使われる肩ロース、ロース、ヒレの違いや特徴について紹介します。
肩ロースの栄養
肩ロースはほどよく脂肪が入っており、ジューシーでコクのある味わいが特徴的です。
たんぱく質、脂質ともにバランスよく含まれているため、食べごたえも十分です。
- カロリー:約253kcal/100g
- たんぱく質:約17.1g/100g
- 脂質:約19.2g/100g
- ビタミンB1やB2が豊富
- 鉄分も比較的多め
肩ロースは焼いても煮てもおいしく、ローストポークに使うと濃厚な風味が楽しめます。
脂身が多めですが、そのぶんしっとり感があり、冷めてもやわらかいのがメリットです。
ロースの栄養
ロースは脂と赤身のバランスがよく、クセが少なく食べやすいのが特長です。
項目 | 数値(100gあたり) |
---|---|
カロリー | 263kcal |
たんぱく質 | 19.3g |
脂質 | 19.2g |
ビタミンB1 | 0.69mg |
鉄分 | 0.5mg |
ロースは加熱することでしっとりとして、ローストポークやカツレツ、ソテーなど幅広い料理に利用できます。
脂質がやや高めなので、気になる場合は脂身をカットして調理するとさっぱりと仕上がります。
ヒレの栄養
ヒレは豚肉の中でもっとも脂肪分が少なく、高たんぱくでヘルシーな部位です。
100gあたりのカロリーは約115kcalととても低く、ダイエット中の方や体を引き締めたい人にもおすすめです。
主な特徴として以下が挙げられます。
- たんぱく質が高く脂質が少ない
- ビタミンB群が豊富
- 噛みごたえのあるしっかりした肉質
- クセのないあっさりとした味わい
ヒレはあっさりとした味なので、オーブンでローストしてもパサつきにくいよう、工夫して調理するとさらに美味しくいただけます。
カロリーを抑えたい方や、筋肉をしっかりつけたい方にぴったりの部位といえます。
ローストポークを選ぶ際に知っておきたい注意点

ローストポークをおいしく仕上げるためには、肉の選び方がとても大切です。
素材選びを間違えると、臭みが出たり食感が悪くなったりすることもあります。
ここでは、部位ごとの特徴や選び方、鮮度の見極め方、購入するときのポイントについて押さえておきましょう。
臭みの少ない部位の見分け方
ローストポークで気になるのが豚肉特有の臭みです。
臭みが少なく、ジューシーな味わいを楽しめる部位を選ぶことが重要です。
- ロース:脂身と赤身のバランスがとてもよく、臭みが控えめで加熱しても柔らかく仕上がります。
- ヒレ:脂肪が少なくさっぱりとした味わいで、においが気になりにくいのが特徴です。
- 肩ロース:適度な脂肪とコクがあり、臭みも少なめです。
- バラ肉:脂の旨味がありますが、脂身が多くやや臭みが出ることもあるので鮮度に注意しましょう。
新鮮な肉はドリップ(肉汁)が少なく、色つやが良好です。
鮮度の判断基準
ローストポークを作る際に、肉の鮮度はおいしさに直結します。
購入時は以下のポイントを意識してチェックしましょう。
チェック項目 | 良い状態 | 避けたい状態 |
---|---|---|
肉の色 | 淡いピンク色 | 暗い赤色や変色 |
ドリップ | ほとんど出ていない | 多く滲み出ている |
脂の色 | 白くつやがある | 黄色やくすんでいる |
におい | ほとんどしない | 酸っぱい、鼻につくにおい |
以上のように、見た目とにおいをしっかり確かめることが大切です。
購入時のポイント
購入の際は値段だけでなく、部位と用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
- 料理方法に合わせて部位を選ぶ(ローストならロースやヒレがおすすめ)
- カット面やパック詰めの状態をよく観察する
- 使い切れる分量を選び、なるべく鮮度の高いものをその日に使う
スーパーでは加工日や消費期限を必ずチェックし、信頼できるお店で購入することが基本です。
下処理の段階で表面の余分な脂や筋を丁寧に取り除いておくと、仕上がりの質もアップします。
ローストポークと部位選びで食卓が変わる理由

ローストポークは使う部位によって味わいや食感が大きく異なります。
普段から使い慣れた部位だけでなく、少し違う部位を選ぶだけで食卓の印象が変わり、新しい美味しさに出会えるのが魅力です。
脂身の多い部位ならジューシーで濃厚なローストポークに仕上がり、赤身が中心の部位を使えばさっぱりとした味わいを楽しめます。
どんな部位を選ぶかによって、家族やゲストの好みや食事のシーンにも合わせられる幅広さがポイントです。
特別な日のごちそうとしても、日々の食事の楽しみとしても、部位選び一つでローストポークの印象が大きく変わります。
これまでの章で紹介した部位の特徴や選び方を参考に、ぜひ自分だけのお気に入りのローストポークを見つけてみてください。