牛肉の「世界ランキング」と検索すると、国別の生産量や輸出量、消費量など複数の順位が出てきます。
同じ「牛肉 世界ランキング」でも、何を基準にするかで上位国が入れ替わる点がポイントです。
この記事では、まず生産量のランキングを具体的に示し、その後に輸出量と消費量のランキングも並べて、数字の読み方まで整理します。
牛肉生産量の世界ランキングTOP8
ここではUSDA(米国農務省)FASの「Beef and Veal Production – Top Countries Summary」をもとに、2024年の生産量(CWE)で上位国を並べます。
生産量ランキングは「供給の中心がどこか」を示し、相場や貿易の流れを理解する出発点になります。
アメリカ合衆国
2024年の牛肉・子牛肉生産量は12,291(1,000MT、CWE)で、単一国として最大級の供給国です。
生産量が大きい一方で、輸入も多く、国内需要の強さが市場の特徴を作ります。
輸出量は2024年に1,364(1,000MT、CWE)で、主要輸出国の一角に入ります。
| 名称 | アメリカ合衆国 |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 12,291(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 1,364(1,000MT) |
| 主要特徴 | 大規模生産と強い国内需要の両方がある |
| 注意点 | 輸入も大きく「生産国=輸出国」とは限らない |
ブラジル
2024年の生産量は11,850(1,000MT、CWE)で、世界最大級の供給国です。
輸出量は2024年に3,638(1,000MT、CWE)で、輸出ランキングでもトップ層を形成します。
輸出が伸びる局面では、世界の需給を動かしやすい国として注目されます。
| 名称 | ブラジル |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 11,850(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 3,638(1,000MT) |
| 主要特徴 | 輸出比重が高く、国際市場への影響が大きい |
| 注意点 | 輸出先の規制や関税で流れが変わりやすい |
中国
2024年の生産量は7,790(1,000MT、CWE)で、巨大な生産国に位置づきます。
一方で輸入量は2024年に3,743(1,000MT、CWE)と大きく、需要が供給を上回りやすい構造です。
「生産も大きいが輸入も最大級」という点が、中国市場を読み解く鍵になります。
| 名称 | 中国 |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 7,790(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | —(主要輸出国上位外) |
| 主要特徴 | 生産と輸入の両方が大きい巨大市場 |
| 注意点 | 規制や需給の変化が国際価格へ波及しやすい |
欧州連合(EU)
EUの2024年生産量は6,661(1,000MT、CWE)で、地域として大きな供給圏を形成します。
輸出量は2024年に671(1,000MT、CWE)で、輸出国としても一定の存在感があります。
国単位ではなく「地域」として数字が集計される点を理解して比較する必要があります。
| 名称 | 欧州連合(EU) |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 6,661(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 671(1,000MT) |
| 主要特徴 | 域内市場が厚く、供給圏として大きい |
| 注意点 | 国別比較ではなく地域集計である |
インド
2024年の生産量は4,565(1,000MT、CWE)で、上位グループに入ります。
輸出量は2024年に1,524(1,000MT、CWE)ですが、USDAの注記ではインドの輸出は主にcarabeef(水牛肉)として扱われます。
「牛肉ランキング」の集計には水牛肉を含む場合があるため、比較の前に定義確認が重要です。
| 名称 | インド |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 4,565(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 1,524(1,000MT) |
| 主要特徴 | 輸出も大きいが、分類上は水牛肉が中心 |
| 注意点 | 「牛肉」の定義に水牛肉が含まれる統計がある |
アルゼンチン
2024年の生産量は3,180(1,000MT、CWE)で、伝統的な牛肉大国として上位に位置します。
輸出量は2024年に847(1,000MT、CWE)で、輸出国ランキングでも上位圏です。
国内消費の存在感も大きく、輸出だけで評価しない視点が役立ちます。
| 名称 | アルゼンチン |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 3,180(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 847(1,000MT) |
| 主要特徴 | 生産・輸出ともに上位で、牛肉文化も強い |
| 注意点 | 政策や需給で輸出余力が変動しやすい |
オーストラリア
2024年の生産量は2,582(1,000MT、CWE)で、上位国の一角です。
輸出量は2024年に1,898(1,000MT、CWE)で、輸出国として非常に強いポジションを持ちます。
「生産量順位以上に、輸出で存在感が出る国」として理解すると整理しやすくなります。
| 名称 | オーストラリア |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 2,582(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 1,898(1,000MT) |
| 主要特徴 | 輸出比重が高く、国際市場への供給力が大きい |
| 注意点 | 天候や牛群動態で生産と輸出が揺れやすい |
メキシコ
2024年の生産量は2,260(1,000MT、CWE)で、トップ8に入ります。
輸出量は2024年に301(1,000MT、CWE)で、輸出国としても名前が挙がります。
北米のサプライチェーンの中で動く面があり、周辺国の需給影響を受けやすい点が特徴です。
| 名称 | メキシコ |
|---|---|
| 2024年生産量(CWE) | 2,260(1,000MT) |
| 2024年輸出量(CWE) | 301(1,000MT) |
| 主要特徴 | 生産国でありつつ、輸出でも一定の規模がある |
| 注意点 | 地域市場との結びつきが強く、単独では読みにくい |
出典:USDA FAS「Livestock and Poultry: World Markets and Trade(December 2025)」の生産・貿易サマリー(USDA PDF)。
牛肉輸出量の世界ランキングで強い国はどこ?
生産量が多い国が必ずしも輸出で上位とは限らないため、輸出ランキングを別で押さえると理解が一段深まります。
ここではUSDAの「Total Exports(CWE)」をベースに、2024年の主要輸出国を見ます。
2024年の主要輸出国トップ10
輸出量ランキングは、国際市場へどれだけ供給できるかを直接表す指標です。
2024年はブラジルが3,638(1,000MT、CWE)で最大級の輸出国として示されています。
同じ表にオーストラリアやインド、アルゼンチンなどが続きます。
| 順位 | 国・地域 | 2024年輸出量(1,000MT、CWE) |
|---|---|---|
| 1 | ブラジル | 3,638 |
| 2 | オーストラリア | 1,898 |
| 3 | インド | 1,524 |
| 4 | アルゼンチン | 847 |
| 5 | EU | 671 |
| 6 | ニュージーランド | 645 |
| 7 | カナダ | 562 |
| 8 | ウルグアイ | 473 |
| 9 | パラグアイ | 472 |
| 10 | アメリカ合衆国 | 1,364 |
輸出ランキングは「牛肉の定義」を先に確認する
輸出統計には、国によって「牛肉以外の他のウシ肉」が含まれる場合があります。
USDAの注記では、インドの輸出はcarabeef(水牛肉)として扱われることが明記されています。
同じ「牛肉 世界ランキング」でも、統計の定義差で順位の見え方が変わります。
- 水牛肉(carabeef)を含むかを確認する
- 単位がCWEか枝肉重量かを確認する
- 国単体か地域(EUなど)かを確認する
- 推計値(Forecast)か実績値かを確認する
輸出国を見るときは「増える理由」をセットで考える
輸出は生産量だけでなく、国内需要、通貨、検疫、関税、物流など複数要因で動きます。
たとえばブラジルの輸出が急増した局面では、米国の関税措置前の出荷前倒しが報じられた例もあります。
ランキングの数字は結果であり、背景を押さえると変化の先読みがしやすくなります。
参考:報道例(Reuters)。
牛肉消費量の世界ランキングから需要を読む
消費量ランキングは「どの国で牛肉が食べられているか」を示し、生産や輸出の議論を需要側から補強します。
USDAの「Total Dom. Consumption(CWE)」を使うと、総消費量の大きい市場が把握できます。
総消費量で見る上位市場
2024年の総消費量は、アメリカ合衆国が13,047(1,000MT、CWE)と非常に大きい水準です。
中国は11,515(1,000MT、CWE)で、輸入量の大きさとも整合します。
ブラジルやEUも上位で、地域ごとの食文化と供給構造が数字に現れます。
| 国・地域 | 2024年消費量(1,000MT、CWE) |
|---|---|
| アメリカ合衆国 | 13,047 |
| 中国 | 11,515 |
| ブラジル | 8,267 |
| EU | 6,381 |
| インド | 3,041 |
| アルゼンチン | 2,336 |
| メキシコ | 2,197 |
| 日本 | 1,213 |
「総量ランキング」と「1人当たり」は別物として見る
人口が大きい国は、総消費量が上位になりやすい傾向があります。
一方で、食習慣を比較したい場合は、総量ではなく1人当たり消費量のデータが向きます。
総量は市場規模の把握に強く、1人当たりは嗜好や食文化の比較に強い指標です。
- 総消費量は「市場の大きさ」をつかむのに向く
- 1人当たりは「食習慣の濃さ」を比較しやすい
- 総量が大きくても輸入依存が低い国もある
- 総量が中位でも高所得で高単価需要が強い国もある
輸入ランキングを合わせると「不足している市場」が見える
輸入量が大きい国は、国内生産だけでは需要を満たしにくい可能性があります。
USDAの輸入サマリーでは、中国が2024年に3,743(1,000MT、CWE)で最大級の輸入国です。
日本は2024年に736(1,000MT、CWE)で上位の輸入国に入り、国内市場の供給を輸入が支えています。
出典:USDA FAS「Livestock and Poultry: World Markets and Trade(December 2025)」の貿易サマリー(USDA PDF)。
世界の牛肉は何が違う?主要産地の味わいと飼育法
ランキング上位の国を知ったら、次は「どんな牛肉が流通しているか」を押さえると選びやすくなります。
産地の違いは、飼育方法、飼料、流通距離、表示ルールなどが重なって味や使い勝手に影響します。
グラスフェッドとグレインフェッドの違い
牛肉の風味や脂の感じ方は、飼育環境と飼料で大きく変わります。
大まかには牧草中心のグラスフェッドと、穀物肥育のグレインフェッドに分けて整理すると理解が進みます。
料理用途で合う合わないが出やすいので、買う前に特徴を把握しておくと失敗が減ります。
| 区分 | 特徴 | 向きやすい料理 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| グラスフェッド | 赤身の風味が出やすい | ロースト、煮込み、薄切り炒め | 火入れで硬くなりやすい |
| グレインフェッド | 脂の甘さを感じやすい | ステーキ、焼肉、すき焼き | 脂の量で好みが分かれる |
格付けは「味の順位」ではなく評価軸の集合として理解する
日本でよく見るA5などの表記は、味そのものの優劣を直接示すラベルではありません。
歩留等級(A〜C)と肉質等級(1〜5)を組み合わせた規格で、判断軸は複数あります。
農林水産省の資料でも、等級の仕組みや判定要素が説明されています。
- A〜Cは歩留等級で「どれだけ商品肉が取れるか」を示す
- 1〜5は肉質等級で脂肪交雑など複数要素を総合評価する
- A5は「歩留A」かつ「肉質5」という組み合わせを意味する
- 格付けは好みや用途に合わせて読むのが実用的
参考:農林水産省の解説資料(A5ランクって何(PDF))。
家庭で選ぶなら「部位×用途×脂」の順で決める
ランキングを知っても、日々の買い物では結局「何に使うか」が最重要です。
まず料理用途を決め、次に部位を選び、最後に脂の量や価格帯を調整すると迷いが減ります。
同じ産地でも部位で印象が変わるので、固定観念より使い分けが役立ちます。
日本の牛肉は世界ランキングの中でどう見える?
日本は「生産量の巨大国」というよりも、品質表示やブランド価値で語られやすい市場です。
そのため、世界ランキングを見るときは、数量の順位と価値の評価軸を分けて考えるのが実用的です。
日本は輸入と国内生産が組み合わさって市場が成り立つ
USDAの消費データでは、日本の2024年消費量は1,213(1,000MT、CWE)と示されています。
同じ表で、日本の2024年輸入量は736(1,000MT、CWE)で、輸入が供給の重要な一部になっています。
ランキング上は中位でも、品質帯の幅が広い点が日本市場の特徴です。
| 指標 | 日本(2024年) | 備考 |
|---|---|---|
| 消費量(CWE) | 1,213(1,000MT) | 国内需要の規模感 |
| 輸入量(CWE) | 736(1,000MT) | 供給を支える重要要素 |
出典:USDA FAS「Livestock and Poultry: World Markets and Trade(December 2025)」の消費・輸入サマリー(USDA PDF)。
和牛とWagyuは同じに見えて同じではない
日本語の「和牛」は、品種に基づく区分で、4品種とその交雑種に限られると農林水産省が説明しています。
そのため「和牛」と表示できる条件には、品種と表示ルールの両方が関係します。
海外で流通するWagyuは、日本の表示概念とずれが起きることがあるため、文脈確認が大切です。
- 日本の「和牛」は4品種とその交雑種という区分で説明されている
- 表示できる範囲にはルールがあり、何でも「和牛」とは言えない
- 海外のWagyu表記は、必ずしも日本の「和牛」表示と一致しない
- 比較するときは「品種」「飼育地」「表示ルール」を分けて見る
参考:農林水産省の解説(特集1 和牛(1))。
参考:JETROのWagyu解説(Wagyu | JETRO)。
ランキングは「買う目的」に合わせて使い分けると強い
安定供給を重視するなら、生産量と輸入量のランキングが役に立ちます。
外食や家庭での味のイメージを作りたいなら、飼育法や格付けの考え方が役に立ちます。
つまり、牛肉 世界ランキングは「順位を覚える」より「用途に合わせて読む」ほうが実用的です。
牛肉の世界ランキングを読むコツ
牛肉のランキングは、生産量、輸出量、消費量のどれを見ているかで結論が変わります。
まずは生産量で供給の中心を押さえ、次に輸出量で国際市場への影響力を確認します。
最後に消費量と輸入量を合わせて、不足している市場と余力のある供給国をつなげて考えると全体像が見えます。
数字は定義や単位の違いで見え方が変わるため、出典と注記を確認しながら読む姿勢が重要です。
その読み方が身につくと、ランキングは「暗記」ではなく「市場の地図」として機能します。

