マルシンの部位徹底ガイド|選び方・切り方・調理法から保存・下処理まで完全網羅

タレ漬けのホルモンと赤身肉の盛り合わせ
牛肉

普段のお肉選びでマルシンの部位がどこか分かりにくい、使い方に迷うという声をよく聞きます。

部位ごとの肉質や切り方、調理法がわからないと美味しく活かせないのが悩みです。

この記事ではマルシンの部位の特徴や見分け方、最適な切り方と調理法、用途別の選び方まで実用的に解説します。

初心者でもすぐ試せるコツを交えて説明するので、次に買うときや料理する時の自信につながります。

部位ごとの価格相場や保存法、下処理のコツまで実例を交えて紹介するので買い物や下ごしらえの判断がぐっと楽になります。

マルシンの部位と特徴

霜降り牛タンとカルビの焼肉盛り合わせ

マルシンはもも肉の中でも特に希少で使い勝手の良い部位です。

赤身が中心で調理の幅が広いのが魅力です。

位置

マルシンは牛の後ろ脚の付け根近くにある部位です。

具体的には内ももやランプの周辺に位置し、比較的小さな塊で取れることが多いです。

肉質

肉質はきめが細かく締まっていて弾力があります。

筋繊維が比較的まっすぐで扱いやすく、薄切りにしても厚切りにしても向いています。

脂肪分

脂肪分は全体として控えめで赤身主体の部位です。

表面に薄く旨味を足す脂がある場合もありますが、霜降りは多くありません。

旨味

赤身ならではのしっかりした旨味が感じられます。

脂の甘みよりも濃い肉のコクを味わいたいときに向いています。

適した料理

マルシンは調理法によって良さが引き出せる部位です。

  • ステーキ
  • 焼肉(薄切り)
  • ローストビーフ
  • 煮込み料理
  • カツやソテー

見分け方

良いマルシンを選ぶポイントは色つやと弾力です。

赤みが鮮やかで表面が乾燥しすぎていないものを選びましょう。

判断項目 良い状態の目安 避けるべき表示
  • 色つや
  • 鮮やかな赤色
  • 薄く光沢がある
  • 変色
  • 茶色や黒ずみ
  • 触感と匂い
  • 弾力がある
  • ほのかな肉の香り
  • ぬめりがある
  • 強い酸っぱい匂い

マルシンの切り方

焼肉と野菜の盛り合わせ定食セット

マルシンは赤身と脂のバランスが良く、切り方で食感や風味が変わる部位です。

ブロック切り

塊のまま使うとローストや煮込みで旨味を逃がさずに調理できます。

まず筋や余分な脂を必要に応じて整えます。

繊維の向きを確認してから均一な厚さになるように切り分けます。

表面に焼き色を付けてから低温でじっくり火を通すと柔らかさが出ます。

厚切り

厚切りはステーキや網焼きで肉の旨味をしっかり感じたいときに向いています。

中心をレア気味に仕上げることでジューシーさを残せます。

切る際は包丁を一気に引くようにして断面を滑らかにします。

焼く前に常温に戻すと火の通りが均一になります。

  • ステーキ用 2〜3cm程度
  • グリル用 1.5〜2cm程度
  • 厚切りの利点 ジューシーさが残る
  • 厚切りの注意点 火の通りに注意

薄切り

薄切りはすき焼きやしゃぶしゃぶ、炒め物に向く切り方です。

薄く均一に切ると短時間で火が通り、柔らかさが際立ちます。

完全に冷やし切るか軽く冷凍してから切ると薄く切りやすくなります。

繊維に対して直角に切ると噛み切りやすくなります。

厚さ 用途
  • 0.5mm程度
  • しゃぶしゃぶ向け
  • しゃぶしゃぶ
  • 薄切り炒め
  • 1〜2mm程度
  • すき焼き向け
  • すき焼き
  • さっと火を通す料理

サイコロ切り

サイコロ切りは煮込みやカレー、炒め物で使いやすい形状です。

まず好みの厚さにスライスしてから等間隔に切って角切りにします。

大きさを揃えることで火の通りが均一になり仕上がりが良くなります。

下味をつけておくと中心まで味が染みやすくなります。

マルシンの適した調理法

焼肉グリルで焼かれるホルモンと牛肉ミックス

マルシンは牛のモモの一部で赤身が多く脂が少ない部位です。

脂が少ない特徴を踏まえて調理法を選ぶと、旨味と食感を上手に引き出せます。

ステーキ

厚めに切ってミディアムレアに仕上げると肉の柔らかさと旨味を両立できます。

調理前に常温に戻してから塩を振り、表面を強めの火で香ばしく焼き固めるのがポイントです。

焼き上がりはアルミで包んで数分休ませると肉汁が安定してジューシーになります。

ロースト

塊のままローストする場合は低温でじっくり火を入れると硬くなりにくくなります。

表面に軽く焼き色を付けてからオーブンでゆっくり中心温度を上げる方法がおすすめです。

ハーブやガーリックで下味をつけてから焼くと赤身の風味が引き立ちます。

焼き肉

薄切りにして強火でさっと焼くと柔らかさを保てます。

  • 薄切りにする
  • 強火で短時間
  • 下味は軽めに
  • レア寄りで仕上げる

漬けダレに短時間だけ漬けるか、塩でシンプルに味付けするのが向いています。

煮込み

煮込みでは赤身の持つ旨味をスープに溶かしつつ、柔らかくする工夫が必要です。

脂が少ないため煮込み料理ではコク出しや長時間の低温調理が効果的です。

  • 料理例
  • ポイント
  • ビーフシチュー
  • 赤ワインでコク出し
  • 弱火で長時間煮込む
  • カレー
  • 一度焼き色を付けてから煮る
  • 脂やバターでコクを補う

とろけるほど柔らかくしたい場合は圧力鍋や低温調理器を使うと安定した仕上がりになります。

しゃぶしゃぶ

極薄切りにしてさっと出汁にくぐらせるのが最適です。

短時間で火が通るため歯ごたえを残しつつ赤身の旨味を楽しめます。

ポン酢やゴマだれなど合わせダレを工夫するとさっぱり飽きずに食べられます。

マルシンの代替となる部位

部位別に盛り付けられた高級和牛の焼肉盛り合わせ

マルシンは牛の内ももに近い部位で扱いやすさとコストパフォーマンスの高さが魅力です。

マルシン 部位を別の部位で代替する場合は、肉質や用途に合わせて選ぶと失敗が少ないです。

以下では代表的な代替部位を用途や特徴とともに紹介します。

シンタマ

シンタマは赤身が主体で程よい柔らかさがありマルシンの代わりに使いやすい部位です。

ハンバーグや焼き肉、ステーキなど幅広い調理に対応できます。

  • 赤身中心で脂が少なめ
  • 安価で手に入りやすい
  • 薄切りやブロックどちらも向く

下ごしらえでは軽くたたいて繊維をほぐすとさらに食感が良くなります。

ヒウチ

ヒウチはもも肉の中でも比較的柔らかく旨味がでやすい部位です。

焼き物や煮込みでしっかり火を通しても硬くなりにくい特徴があります。

  • 特性
  • 向く料理
  • 適度な霜降り
  • 柔らかめの赤身
  • ステーキ
  • ロースト
  • 薄切りの焼き肉

脂の入り方がマルシンよりもやや上質なことがあり料理の仕上がりが良くなります。

ランプ

ランプは赤身の旨味が強く食べ応えのある部位です。

ローストやステーキにすると風味が際立ちます。

薄切りにして焼肉や炒め物に使うと食感と旨味のバランスが良くなります。

ウチモモ

ウチモモは筋がやや多めですが低脂肪でヘルシーな点が魅力の部位です。

薄切りや長時間煮込む料理に向いておりマルシンの代用としても安心して使えます。

調理の際はスライスを薄めにするか長めのマリネで柔らかくすると良いです。

マルシンの価格相場

炭火で焼かれる霜降り焼肉と立ち上る炎

マルシンは牛肉の一部位として流通することが多く、赤身の旨味があり用途が広い部位とされています。

部位名や産地、カットの仕方で価格に差が出るため相場は幅があります。

スーパー、精肉店、業務用それぞれで販売形態や単価が変わる点を把握しておくと購入時に役立ちます。

スーパー価格

スーパーでのマルシン部位の価格は手軽に買える一方で、パック詰めやセールで変動しやすいです。

一般的に表示価格は100gあたりで示されることが多く、小分けパックで売られていることが多いです。

  • 100gあたり 150〜350円
  • パック売り 300〜1,000円
  • 特売時 100〜200円/100g

セールや夕方の見切り品でさらに安くなることがあり、用途に応じて買い時を見極めるとお得です。

精肉店価格

精肉店ではカットの相談や鮮度の良さを重視したい場合に向いています。

同じマルシン部位でも店ごとの仕入れルートや処理方法で単価が変わる傾向があります。

  • 小分け(100g単位)
  • 塊(300g〜)
  • 要望カット
  • 100gあたり 200〜450円
  • 塊価格の割安設定あり
  • 特注カットは別途料金

プロに頼むと用途に合わせた厚さや筋切りなどの仕上げを受けられるため、調理の失敗を減らせます。

業務用価格

飲食店や業務用卸では購入量が多くなる分、単価はさらに下がることが多いです。

業務用ロットは箱単位やキロ単位での販売が中心となり、保存や加工の条件によって価格が変わります。

大量購入による値引きや定期発注による条件交渉が可能なため、必要量が多い場合は見積もりを取るとよいです。

マルシンの選び方

鉄板で焼かれる霜降り牛肉と野菜

マルシンはもも肉の中心付近にある部位で赤身の味わいが楽しめます。

調理法に合わせて選ぶと料理の仕上がりが安定します。

色つや

鮮やかな赤色は新鮮さの目安になります。

表面に程よい光沢があると水分が保たれている証拠になります。

茶色っぽく変色している部分や乾燥した箇所が多いものは避けた方が良いです。

色むらが激しい場合は保管状態や酸化の可能性があるので注意してください。

脂肪の入り方

脂肪は筋繊維の間に細かく入っている方が火の通りと食感が良くなります。

脂肪が片寄っていると加熱ムラや噛み切りにくさの原因になります。

  • 均一に入った白い脂肪
  • 大きな脂肪塊が少ない
  • 赤身と脂肪のバランスが良い

調理法に合わせて脂肪の量と入り方を判断すると失敗が減ります。

サシの有無

マルシンは比較的サシが入りにくい部位ですが少量のサシでも風味に影響します。

用途に合わせてサシの有無を選ぶと調理しやすくなります。

サシあり サシなし
  • 風味が濃い
  • 焼き過ぎに注意
  • 柔らかさが出やすい
  • あっさりしている
  • 焼きすぎに強い
  • 歯ごたえが楽しめる

どちらが合うかは料理の種類と好みで選んでください。

表示重量とランク

パックの表示重量はトリミング前後で差が出ることがあるので確認が必要です。

等級やランクは脂肪交雑や歩留まりの目安になります。

マルシンは赤身中心の部位なので等級が低くても旨味が出る場合があります。

購入時は重量と切り方をチェックして調理予定に合うサイズを選んでください。

マルシンの保存方法

網焼きで焼かれる牛肉と野菜のバーベキュー

マルシンは赤身が多く脂肪が少ないため鮮度が味に直結する部位です。

適切な保存をすることで風味を落とさずに調理に使えます。

冷蔵保存

購入後はできるだけ早く冷蔵庫に入れて保存してください。

冷蔵庫の温度は0〜4℃が目安です。

パックのまま保存する場合は乾燥と匂い移りを防ぐためポリ袋やラップで覆うと安心です。

開封済みの場合は空気に触れないように密閉容器に入れて保存してください。

生のマルシンは2〜3日以内に使い切るのが鮮度と安全性の面でおすすめです。

冷凍保存

長期保存をする場合は冷凍保存が便利です。

使いやすい量にカットしてから冷凍すると解凍時の無駄が少なくなります。

表面の水分はキッチンペーパーで軽く拭き取ってから密閉するのがポイントです。

フリーザーバッグに入れて空気をできるだけ抜くか、ラップでぴったり包んでから冷凍してください。

冷凍保存の目安は品質維持のために1ヶ月以内が望ましいですが、適切に包装すれば3ヶ月程度は保存可能です。

  • 一口大にカット
  • 水分を拭き取る
  • ラップでぴったり包む
  • フリーザーバッグに入れて空気を抜く
  • -18℃以下で保存

真空保存

真空パックは酸化や乾燥を防ぎ、冷蔵でも冷凍でも保存期間を延ばせます。

真空にすることで冷凍焼けを抑え、解凍後のドリップ量も減らせます。

家庭用の真空パック機を使うか、業務用で購入した真空パックを利用すると便利です。

メリット 注意点
  • 酸化防止
  • 冷凍焼けを抑制
  • 省スペースで保存
  • 初期費用が必要
  • 気密が甘いと効果が薄れる
  • 加熱前にパックを外す必要あり

解凍方法

最も安全で品質の良い解凍方法は冷蔵庫内でゆっくり解凍することです。

冷蔵解凍の目安はサイズにもよりますが半日〜一晩程度です。

急ぐ場合は密閉したまま冷たい流水で解凍する方法が衛生的でおすすめです。

電子レンジで解凍する場合は加熱ムラが出やすいのでそのまま調理する前提で行ってください。

一度解凍したマルシンは再冷凍を避け、できるだけ早く使い切ってください。

解凍後は表面の水分を軽く拭き取り、常温に戻しすぎないうちに調理に移ると味が良く仕上がります。

マルシンの下処理

希少部位を含む和牛焼肉セット

マルシンはもも肉の一部で、部位ごとに筋や脂の付き方が違います。

下処理を正しく行うと味が引き立ち、火の通りも均一になります。

筋切り

筋を包丁で切るときは繊維に対して斜めに入れて短く切るのが基本です。

繊維を断ち切ることで噛みやすくなり、食感が良くなります。

切る前に肉繊維の方向を確認して、無駄な力がかからないように手で押さえます。

脂の除去

脂は旨味でもあるので全部取り除く必要はありませんが、厚い塊は切り取るのが望ましいです。

脂の残し方で仕上がりのジューシーさやカロリーが変わるので用途に合わせて調整します。

  • 薄い脂を軽くそぐ
  • 厚い脂は塊で切り落とす
  • 焼く場合は適度に残す

薄皮除去

薄皮は加熱時に縮んで硬くなるので丁寧に取り除くと食べやすくなります。

薄皮をはがすときはナイフの刃先で軽く滑らせるように動かすと無駄な肉を削らずに済みます。

道具 用途
ペティナイフ 細かい部分の薄皮剥ぎ
骨抜きピンセット 狭い部分の皮掴み
まな板 作業の安定

最後に表面を拭いて余分な水分を取ると焼きムラを防げます。

用途に応じたマルシンの選び方と調理の要点

タレ漬けのホルモンと赤身肉の盛り合わせ

マルシン 部位ごとに向く調理法を覚えると無駄が減りおいしく仕上がる。

脂の入り方と繊維の向きで焼き方や煮込み時間を変えると食感が格段に良くなる。

小さめの切り身は短時間の強火で香ばしく仕上げ、大きめや繊維の多い部位は低温でじっくり加熱すると柔らかくなる。

味付けは塩と香味で素材の旨味を引き出すとシンプルにおいしくなる。

下ごしらえは余分な水分を拭き取り温度管理を徹底することが基本だ。

部位の特性を活かした調理を心がけるとマルシンの魅力を最大限に引き出せる。