おでんの牛すじは、コクととろみのある脂、そして噛むほどにうまみが出る食感が魅力です。
一方で牛すじは下処理や煮込みに時間がかかり、売り場で見つからない日もあります。
だからこそ「おでんの牛すじの代わり」を知っておくと、思い立った日に鍋を成立させやすくなります。
代用品は、コク担当と食感担当を分けて考えると選びやすくなります。
この記事では、入手しやすさと仕上がりの満足度を両立できる具材と、失敗しにくい扱い方を整理します。
牛すじの代わりにおすすめの具材8選
牛すじの代わりは「脂のコク」「ゼラチンのとろみ」「煮込んでも崩れにくい食感」をどれだけ再現できるかが要点です。
ここではスーパーで手に入りやすく、下処理の手間と仕上がりのバランスが良い具材を8つに絞ります。
どれも単体でも成立しますが、2種類を組み合わせると牛すじ寄りの満足感が出やすいです。
豚バラブロック
脂の甘みがだしに溶けて、牛すじが担っていたコクを埋めやすい具材です。
表面を軽く下茹でしてから入れると、脂のにおいが落ちてだしが濁りにくくなります。
厚めに切るほどジューシーになり、薄めに切るほど短時間で味が入ります。
翌日まで持ち越す予定なら、脂が固まりやすい点を見越して量を控えめにします。
| 名称 | 豚バラブロック |
|---|---|
| 特徴(強み) | 脂のコクが出やすい |
| 向いている人 | 濃厚なおでんにしたい人 |
| 料金目安 | 1人前100〜200g程度が目安 |
| 注意点 | 煮込みすぎると脂がだしに出すぎる |
豚スペアリブ
骨まわりのうまみが強く、だしに肉の香りを足したいときに頼れます。
下茹ででアクを落としてから煮ると、臭みが減って澄んだ味に寄ります。
食べ応えがあり、鍋が一気に主菜っぽくなるのも強みです。
骨つきは汁を吸いにくいので、最後に少し休ませて味をなじませます。
| 名称 | 豚スペアリブ |
|---|---|
| 特徴(強み) | 骨のうまみでだしが強くなる |
| 向いている人 | 主菜感を出したい人 |
| 料金目安 | 2〜3本で1鍋の満足感が出やすい |
| 注意点 | 下茹でを省くとアクが出やすい |
鶏手羽元
骨と皮のコラーゲンで、とろみとコクの両方を作りやすい具材です。
長く煮ても身が崩れにくく、牛すじの「煮込み向き」を置き換えやすいです。
軽く焼き目をつけてから煮ると香ばしさが足され、甘いだしに寄ります。
短時間で仕上げたいときは、切り込みを入れて味の通り道を作ります。
| 名称 | 鶏手羽元 |
|---|---|
| 特徴(強み) | コラーゲン由来のとろみが出る |
| 向いている人 | 牛すじの雰囲気を近づけたい人 |
| 料金目安 | 4〜6本で鍋の軸になりやすい |
| 注意点 | アクを丁寧に取ると雑味が減る |
鶏手羽先
皮が多いぶん、だしに濃いコクが出て短時間でも満足しやすい具材です。
身は薄いので、煮込みすぎるより温める感覚で火を入れるとパサつきにくいです。
食べやすさを優先するなら、手羽先は別鍋で軽く煮てから合流させます。
表面の脂が多いので、途中で浮いた脂を少しすくうと味が締まります。
| 名称 | 鶏手羽先 |
|---|---|
| 特徴(強み) | 皮のコクが強く出る |
| 向いている人 | 短時間で濃厚にしたい人 |
| 料金目安 | 6〜10本でボリュームが出る |
| 注意点 | 煮込みすぎると食感が締まりやすい |
鶏もも肉
柔らかさと肉のうまみが出やすく、家にある肉で代用したいときに便利です。
大きめに切るほどジューシーですが、煮崩れを防ぐために最初は強火にしません。
だしを濁らせたくない場合は、表面をさっと湯通ししてから入れると安心です。
長時間煮る鍋なら、後半に投入して温めながら味を入れると仕上がりが安定します。
| 名称 | 鶏もも肉 |
|---|---|
| 特徴(強み) | うまみが出やすく扱いやすい |
| 向いている人 | 手軽さを最優先したい人 |
| 料金目安 | 1枚を大きめに切って1鍋に |
| 注意点 | 煮込みすぎると身がほぐれやすい |
ウインナーソーセージ
下処理いらずで、買ってすぐ鍋に入れられるのが最大の利点です。
燻製香がだしに移るので、いつものおでんを少し洋寄りにしたいときに合います。
皮が裂けると肉汁が出すぎるので、弱めの火で温めるイメージで煮ます。
味が濃い具材なので、だしの塩分を控えめにすると全体がまとまりやすいです。
| 名称 | ウインナーソーセージ |
|---|---|
| 特徴(強み) | 下処理不要で時短になる |
| 向いている人 | とにかく手軽に肉感がほしい人 |
| 料金目安 | 5〜8本で満足感が出る |
| 注意点 | 強く煮立てると皮が割れやすい |
ロールキャベツ
肉のうまみと野菜の甘みが同時に出て、だしの厚みを作りやすい具材です。
牛すじの「主役感」を置き換えるというより、鍋の満足度を底上げする役に向きます。
煮崩れが気になる場合は、最初に弱火で温めてから火を少し上げます。
市販品を使うと時短になりますが、味つきならだしの味を薄めから始めます。
| 名称 | ロールキャベツ |
|---|---|
| 特徴(強み) | 肉と野菜の甘みでだしが厚くなる |
| 向いている人 | 家族向けに食べやすくしたい人 |
| 料金目安 | 2〜4個で鍋の印象が変わる |
| 注意点 | 煮崩れしやすいので火加減を弱める |
豚足
ゼラチンが非常に多く、とろみとコクを一気に補える具材です。
下処理済みのパックを選ぶと、においのハードルが下がって扱いやすいです。
長く煮るほどだしが濃くなるので、練り物や大根を多めにして受け止めます。
脂が重く感じやすいので、薬味のからしや柚子胡椒が相性良く働きます。
| 名称 | 豚足 |
|---|---|
| 特徴(強み) | ゼラチンでとろみが強く出る |
| 向いている人 | 濃厚でこってりしたおでんが好きな人 |
| 料金目安 | 少量でもだしの印象が変わる |
| 注意点 | 脂が強いので量と塩分を控えめにする |
代用するときの選び方
牛すじの代わりは「何を再現したいか」を先に決めると、具材選びで迷いにくくなります。
食感を寄せるのか、だしのコクを増やすのかで最適解は変わります。
家族の好みや作る日の時間に合わせて、優先順位を一段だけ上げるのがコツです。
食感で選ぶ
牛すじらしさは、噛むほどにうまみが出る「しっかりした食感」にあります。
その食感を重視するなら、崩れにくい骨つき肉や皮の多い部位が候補になります。
同時に、だしを吸う面積があるかも見ておくと満足度が上がります。
- 歯ごたえ重視ならスペアリブ
- ゼラチン感なら手羽元
- とろみ最優先なら豚足
- 食べやすさ優先なら鶏もも肉
コクで選ぶ
牛すじのコクは脂とゼラチンの両方が作るので、どちらを足すかで選択が変わります。
脂のコクを足すなら豚バラ系が強く、ゼラチンのとろみなら手羽や豚足が向きます。
軽めにしたい日は、肉量を増やすより香りやうまみの出方で調整します。
| 狙い | 向く具材 | 仕上がりの傾向 |
|---|---|---|
| 脂のコク | 豚バラブロック | 濃厚で甘みが出やすい |
| 骨のうまみ | 豚スペアリブ | だしが強く主菜感が出る |
| とろみ | 鶏手羽元 | 口当たりが丸くなりやすい |
| 即戦力 | ウインナー | 香りが立ちやすく時短向き |
手間で選ぶ
平日の鍋は、下処理の有無が満足度よりも大事になることがあります。
下処理なしで成立させるならウインナーや市販のロールキャベツが最短です。
少しだけ手間を足せるなら、肉をさっと下茹でしてアクを落とすだけで味が整います。
休日に煮込みを楽しむなら、手羽元や豚足でだしを育てる方向が向きます。
家族構成で選ぶ
小さな子どもや高齢の家族がいる場合は、骨つきよりも食べやすさが先に立ちます。
鶏もも肉やロールキャベツは、噛み切りやすく一口サイズにもできます。
こってりが苦手な人がいるなら、豚バラは量を控えめにして他の具で満足感を補います。
同じ鍋でも、からしや柚子胡椒で好みを分岐させると全員が食べやすくなります。
下処理と煮込みのコツ
代用品でも、最初のアク処理と火加減で仕上がりの差が大きく出ます。
牛すじほどの手間は不要でも、ポイントだけ押さえるとだしが濁りにくくなります。
臭みが気になる具材ほど、最初のひと手間が結果的に時短になります。
まずはアクを減らす
肉系具材は、入れる前に表面の血や余分な脂を落とすだけで雑味が減ります。
下茹では長時間する必要はなく、沸騰した湯で数分でも効果が出ます。
牛すじの下処理は工程が多いので、必要なときは基本手順を確認しておくと安心です。
牛すじの下処理の考え方は、湯からのゆでこぼしを基準にすると理解しやすいです。
下茹でが必要な具材
下茹での要否は、臭みとアクの出方で決まります。
時間がない日ほど、下茹で対象だけ先に処理してから鍋を組むと楽になります。
脂が多い具材は、下茹で後に軽く洗って表面の脂を落とすとだしが整います。
- 豚スペアリブは下茹で推奨
- 豚バラは軽い下茹でで十分
- 手羽はアクを取りながら煮ても成立
- 豚足は下処理済み品を選ぶと楽
煮込み時間の目安
煮込み時間は、柔らかさよりも「崩れない範囲で味を入れる」ことを狙います。
強火で煮立て続けると濁りやすいので、基本はふつふつ程度を維持します。
味を染みさせたい具材は、火を止めて休ませる時間を必ず作ります。
| 具材 | 火にかける目安 | 休ませる目安 |
|---|---|---|
| 豚バラブロック | 20〜40分 | 20分以上 |
| 豚スペアリブ | 40〜60分 | 30分以上 |
| 鶏手羽元 | 30〜50分 | 20分以上 |
| ウインナー | 5〜10分 | 短めでOK |
圧力鍋を使うなら
圧力鍋は時短になりますが、具材によっては食感が単調になりやすいです。
コク担当の肉だけを圧力で柔らかくし、練り物や大根は通常鍋で仕上げるとバランスが取れます。
牛すじを圧力で扱う場合の時間感覚は、加圧15〜20分が一つの目安になります。
だしと味付けを崩さない工夫
代用品を入れると、だしの方向性が牛すじ入りとは少し変わります。
変化を悪い方向にしないために、塩分と香りの調整を先に考えると失敗が減ります。
特に脂が出る具材ほど、最初の味付けは薄めから始めるのが安全です。
市販つゆの使い分け
市販のおでんつゆは便利ですが、肉系具材を入れると想定より濃く感じることがあります。
濃縮タイプは希釈率を守り、味見は具材が温まってから行うと判断がぶれにくいです。
薄めに作って、最後に塩分を足すほうが戻しやすいです。
- 脂が多い日は薄味スタート
- 香りが強い具材は醤油を控えめ
- 練り物が多い日は塩分が上がりやすい
- 翌日に食べるなら初日は特に薄め
うまみの底上げは具材で行う
牛すじがない日は、昆布や干ししいたけなどでうまみを底上げすると満足感が出ます。
ただし入れすぎると主張が強くなるので、少量から始めると調整しやすいです。
練り物の風味が好きなら、うまみ素材は控えめにして練り物に寄せます。
味の方向性を一つに決めると、代用品の個性が雑多になりにくいです。
味が濃くなったときの調整
煮詰まりや塩分過多は、足し水よりも「具材で吸わせる」ほうが戻しやすいです。
大根や豆腐系は味を吸いやすく、濃さを受け止める役に向きます。
甘みが強いと感じたら、酒や生姜ではなく塩分の輪郭を整える方向で調整します。
| 症状 | 原因になりやすい具材 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 脂が重い | 豚バラ・豚足 | 脂を少しすくい、大根を追加 |
| 塩辛い | 練り物・味つき加工肉 | 湯を少量足し、豆腐系を増やす |
| 香りが強い | ウインナー | 一度取り出し、後半に戻す |
| だしが薄い | 肉量が少ない | 昆布を追加し、休ませてなじませる |
薬味で満足感を作る
牛すじの代わりが軽めの具材のときは、薬味で満足感を補えます。
からしは脂の甘みを締め、柚子胡椒は鶏のうまみを引き立てます。
七味は香りを足し、だしの印象を強く見せる働きがあります。
薬味で味の主導権を握れると、代用品でも「足りない感」が出にくくなります。
代用品別の失敗しやすいポイント
代用品は便利ですが、牛すじと性質が違うので同じ煮込み方をすると失敗することがあります。
よくある失敗を先に知っておけば、具材選びも火加減も迷いにくくなります。
ここでは起こりやすい現象と、鍋を崩さずに戻す方法を具体化します。
よくある失敗
失敗の多くは、煮立てすぎか、味付けの早すぎで起こります。
具材の個性を理解して、入れる順番と火加減を変えるだけで回避できます。
特に加工肉は塩分がある前提で扱うと、味が暴れにくいです。
- 豚バラが脂っこくなった
- 手羽先がパサついた
- ウインナーの皮が割れた
- ロールキャベツが崩れた
代用品別のリカバリー
崩れた鍋でも、原因を一つに絞ると立て直しは簡単です。
脂は減らすか受け止めるかの二択にすると、対処が速くなります。
香りが強い場合は、具材を一時退避してだしを落ち着かせるのが有効です。
| 具材 | 起こりやすい問題 | 対処 |
|---|---|---|
| 豚バラ | 脂が重い | 脂をすくい、具材を増やして薄める |
| 手羽先 | 身が締まる | 煮立てを止め、余熱で温める |
| ウインナー | 皮が割れる | 後入れにして温め時間を短くする |
| ロールキャベツ | 崩れる | 弱火で休ませ、触る回数を減らす |
入れる順番でほぼ決まる
肉系具材は先に煮てだしを作り、味を吸わせたい具材は後から入れると安定します。
練り物は塩分が出るので、味見は練り物を入れた後に行うと正確です。
ウインナーや煮崩れやすい具材は最後に入れ、火を止める前に温めます。
同じ具材でも順番だけで味の印象が変わるので、迷ったら後入れに寄せます。
翌日に食べるなら初日を薄味にする
一晩置くと味が入り、塩分も香りも強く感じやすくなります。
初日は薄味で組み、翌日に最終調整すると失敗が少ないです。
脂が固まったら、温める前に取り除くと口当たりが軽くなります。
翌日用は、豚バラより手羽元のほうがバランスが崩れにくい傾向があります。
牛すじがなくても満足できる着地点
牛すじの代わりは、牛すじそのものを再現するより「コク」と「食べ応え」を狙うほうが成功します。
最短で決めるならウインナー、近い雰囲気を狙うなら手羽元、濃厚路線なら豚バラが選びやすいです。
迷ったときは、コク担当を1つだけ決めて、あとは大根や豆腐系で受け止める設計にします。
火は煮立てず、味は薄めから始め、休ませて染み込ませるだけで仕上がりが安定します。
具材の個性に合わせて入れる順番を変えれば、牛すじがない日でも十分に満足できる鍋になります。
次の買い物では、手羽元か豚バラを一つ追加して、あなたの定番おでんを更新してみてください。

