「ツラミ」という部位を聞いたことはあっても、その正体や特徴を詳しく知る機会はなかなかないのではないでしょうか。
焼肉や煮込み料理で見かけるけれど、他の部位との違いや最も美味しく味わうための選び方・調理法に悩んでいる方も多いはずです。
本記事ではツラミの部位について、その特徴や味わい、さらに鮮度の見極め方や調理のコツまで、気になるポイントを丁寧に解説します。
ツラミ部位ならではの魅力や活用法を知れば、あなたの食卓をもっと豊かにできるはず。
ツラミの奥深さを知りたい方は、ぜひ続きもご覧ください。
ツラミの部位の特徴を徹底解説

ツラミは焼肉店でも注目される部位であり、独特の食感と味わいから多くのファンがいます。
その希少性や栄養価も含め、牛肉部位の中でも知っておきたい存在です。
ツラミの位置と部位名の由来
ツラミは、牛の顔の頬から顎にかけての部分にある部位で、正式には「頬肉」と呼ばれることもあります。
名前の由来は、関西地方の方言で「顔」を意味する「つら」から来ており、見た目通り顔の肉にあたることが由来です。
地域によっては「ほほ肉」や「カシラ」とも呼ばれていますが、焼肉店では「ツラミ」で親しまれています。
ツラミの肉質の特徴
ツラミは非常にしっかりとした筋肉質で、赤身と適度な脂肪が合わさった特徴的な肉質を持っています。
筋繊維が発達しているため噛み応えがあり、煮込みや焼肉にするとコリコリとした歯ごたえが楽しめます。
- 弾力がある
- 脂身が少なめ
- 赤身の旨味が強い
- 長時間煮込んでも硬くなりにくい
このため様々な料理に活用されています。
ツラミの味わいと食感
ツラミは牛肉の中でも特有の旨味と食感があり、一度食べると癖になると評判です。
赤身のコクをしっかり感じつつ、適度な脂が組み合わさり、噛むたびに肉本来の味が口の中に広がります。
また、焼くことで外側がカリッとし、中はむっちりとした歯ごたえを楽しめるのが特徴です。
煮込めばトロトロになり、焼けばコリコリとした食感も味わえます。
ツラミの栄養成分
ツラミは高たんぱく・低脂肪の部位で、栄養バランスにも優れています。
主な栄養成分は以下の通りです。
栄養成分 | 含有量(100gあたり目安) |
---|---|
エネルギー | 約160kcal |
たんぱく質 | 約20g |
脂質 | 約8g |
鉄分 | 約2.3mg |
ビタミンB群 | 豊富 |
鉄分やビタミンB群が豊富で、貧血予防や筋肉作り、疲労回復にも役立ちます。
ツラミと他の近い部位との違い
ツラミと似たような部位にはハチノスやタン、カシラなどがありますが、それぞれに違いがあります。
- ハチノス:牛の第二胃で、ホルモンとして分類される部位。食感はツラミより柔らかい。
- タン:牛の舌。弾力があり脂ものっていますが、ツラミより脂身が豊富。
- カシラ:頭部の肉ですが、頬だけでなくこめかみや顎周りも含まれるため少し風味が異なります。
それぞれの個性を知って食べ比べてみるのもおすすめです。
ツラミの希少性と市場価値
ツラミは1頭の牛からごくわずかしか取れない希少な部位です。
部位の特性上、一般的なスーパーではあまり出回っておらず、焼肉店や専門店でしか味わえないことも多いです。
そのため市場価格も高めに設定されていることが多く、特別感のある部位として扱われています。
希少性ゆえ、提供しているお店では人気が高いので、見かけたらぜひ一度味わってみてください。
ツラミの部位を活かす美味しい食べ方

ツラミは牛の頬の部分に位置するお肉で、適度な脂としっかりとした旨味が特徴です。
歯ごたえがありながらも、加熱するととても柔らかくなり、色々な料理に相性が良い部位として人気があります。
下ごしらえや調理法によって、その美味しさを最大限に引き出すことができます。
焼肉でのツラミの楽しみ方
ツラミは焼肉でも定番の部位として親しまれています。
薄めにスライスされたツラミは、軽く火を通すことでジューシーな味わいと独特の食感を楽しめます。
- さっぱりとしたタレやポン酢で食べるのがおすすめです。
- ネギやごま油を合わせてアレンジするのも人気の方法です。
- 焼き過ぎると硬くなりやすいので、表面が変わったらすぐ食べるのがコツです。
脂身が少ないため、胃もたれしにくく、何枚でも食べられる部位です。
煮込み料理でのツラミの活用方法
しっかりとした筋繊維を持つツラミは、煮込み料理にも最適です。
料理例 | 特徴 |
---|---|
牛すじ煮込み | ツラミの旨味ととろける柔らか食感が味わえます |
おでん | 出汁をよく吸い込むので、他の具材との相性も抜群です |
味噌煮込み | しっかり味付けするとツラミのコク深い味が引き立ちます |
長時間じっくり煮込むことで、ツラミ独特のコリコリ感と旨味が際立ち、濃厚なスープに仕上がります。
ツラミ刺しの魅力
新鮮なツラミは刺身でも食べられます。
しっとりした食感と淡白な味わいで、付け合わせや薬味次第でさまざまな楽しみ方ができます。
ごま油と塩、ワサビ醤油、または柚子胡椒など、好みの調味料でいただくのが人気です。
適度な歯ごたえと噛むごとに広がる上品な旨味が、ツラミ刺しの大きな魅力です。
部位を活かす食べ方を知ることで、ツラミの多彩なおいしさをさらに堪能できます。
ツラミの部位を選ぶ際のポイント

ツラミは牛の頬肉にあたる希少部位で、焼肉や煮込み料理など幅広く使われています。
おいしく調理するためには、ツラミ特有の食感や味わいを生かすポイントを押さえて部位を選ぶことが大切です。
ここでは、ツラミを選ぶ際に注目したい鮮度の見極め方や脂身・赤身のバランス、そして購入時のチェックポイントについてご紹介します。
鮮度の見極め方
ツラミの美味しさは鮮度によって大きく変わります。
鮮度の良いツラミはきれいな赤色で、表面がみずみずしく滑らかなツヤがあります。
色がくすんでいたり、黒ずみや乾燥が見られる場合は鮮度が落ちているサインです。
- 色が鮮やかな赤色であること
- 肉の表面に適度なツヤとハリがあること
- 乾燥や液漏れなどがないこと
これらのポイントをチェックすることで、新鮮なツラミを選びやすくなります。
脂身と赤身のバランス
ツラミは赤身部分が多く、噛みごたえがあるのが特徴の部位です。
しかし、適度な脂身が入っているものはコクとジューシーさも楽しめます。
用途に合わせて脂身と赤身のバランスを選びましょう。
脂身が多めのツラミ | 赤身が多めのツラミ |
---|---|
焼肉や煮込み料理でとろけるような食感が楽しめる | しっかりした歯ごたえと濃い旨味を感じられる |
脂の甘みが好きな方におすすめ | さっぱりと食べたい方におすすめ |
あなたの好みや調理方法にあわせて選んでみてください。
購入時のチェックポイント
ツラミを購入する際には、鮮度や脂身のバランスに加えて、以下の点も確認しましょう。
- におい:生肉特有の新鮮な香りがするか
- パッケージ:液漏れやラップの剥がれがないか
- カット面:切り口がきれいで変色していないか
- 表示:加工日や消費期限が新しいか
信頼できる精肉店やスーパーを選ぶことも、美味しいツラミを手に入れるコツです。
これらのポイントを押さえて、自分好みのツラミを選びましょう。
ツラミ部位の下処理と調理のコツ

ツラミ部位は牛の頬肉で、特有のうまみとコラーゲンを含んだ柔らかい食感が魅力です。
そのまま調理すると硬さや臭みが気になることもあるため、下処理や調理のコツが大切です。
ポイントを押さえることで、さらに美味しくツラミ肉を楽しむことができます。
下ごしらえの手順
まず、ツラミ部位の表面についている余分な脂や筋を包丁やキッチンバサミで丁寧に取り除きます。
次に、流水でしっかり洗いながら表面の血や汚れを落としましょう。
下ごしらえの手順は以下の通りです。
- 表面の脂身や筋を取り除く
- 一口大にカットする(料理の用途に合わせる)
- 流水で洗い血や汚れをしっかり落とす
- キッチンペーパーで水気をふき取る
これらの下ごしらえを丁寧に行うことで、仕上がりがぐんと良くなります。
柔らかくするための下処理
ツラミ肉は繊維質が多いものの、適切な下処理でとても柔らかくなります。
特に加熱時間がポイントとなり、長時間じっくり煮込むことで、コラーゲンが溶け出しトロトロの食感になります。
下処理の方法とポイントを下の表にまとめました。
方法 | ポイント |
---|---|
下茹で | 沸騰したお湯で10分ほど茹でてアク抜きする |
圧力鍋 | 圧力鍋を使えば短時間で柔らかく仕上がる |
マリネ液 | 味付け前にマリネ液(ワインや醤油など)に30分以上漬け込む |
特にシチューや煮込み料理の際は、圧力鍋の活用や下茹でを心がけると失敗が少ないです。
臭みを抑える方法
ツラミ部位は牛肉特有の臭みが気になることがありますが、いくつかのコツで臭みを和らげられます。
- 下茹で後に流水でしっかり洗い流すことでアクや血を除去する
- 長ネギや生姜、にんにくなど香味野菜を一緒に煮込む
- ワイン・日本酒・みりんなどアルコールで煮る
- 調理前に牛乳やヨーグルトに軽く漬ける
これらの方法を組み合わせることで、ツラミ本来の旨味を生かしながら臭みをしっかり抑えることができます。
ツラミの部位に関するよくある疑問

ツラミは牛肉の中でもあまり知られていない部位ですが、焼肉店などで見かける機会が増えています。
ここではツラミについてよく寄せられる疑問をまとめて解説します。
ツラミはどの牛から取れるのか
ツラミは牛の顔の頬から下あごにかけての部位です。
国産牛や和牛、ホルスタイン牛など、さまざまな種類の牛から取ることができます。
焼肉店で提供されるツラミは、主に和牛や国産牛のものが多いですが、輸入牛を使う場合もあります。
また、肉質や味わいに違いが出るため、産地や品種によるツラミの食べ比べも人気です。
- 和牛ツラミ:脂のうま味が強く、やわらかい食感が特徴
- ホルスタインツラミ:さっぱりとした味わいで、価格が手ごろ
- 輸入牛ツラミ:しっかりとした歯ごたえがあり、ボリューム重視の方に人気
ホホ肉やホッペとの違い
ツラミはよく「ホホ肉」や「ホッペ」と呼ばれる部位と混同されることがありますが、厳密には違いがあります。
ツラミは牛の顔周り、特に頬から顎にかけての筋肉部分の総称です。
一方でホホ肉は、頬の筋肉に限定された部分で、ツラミと一部重なるものの完全に同じではありません。
また「ホッペ」という呼び方は、主に関西地方を中心とした俗称で、ホホ肉全般やツラミを指して使われることも多いです。
名称 | 部位の違い | 主な特徴 |
---|---|---|
ツラミ | 頬から下顎の筋肉部位の総称 | しっかりした食感、旨み豊か |
ホホ肉 | 頬の筋肉のみ | 柔らかい、煮込み向き |
ホッペ | ホホ肉・ツラミ両方とも指すことがある | 地域差あり |
ツラミの保存方法
ツラミは鮮度が落ちやすいため、なるべく早めに食べるのが理想ですが、保存方法を工夫することで美味しさを保つことができます。
保存の基本は「乾燥させない」ことと「低温で保管する」ことです。
冷蔵保存の場合は、ツラミをキッチンペーパーで包み、その上からラップや密閉容器に入れて冷蔵庫に入れます。
2~3日以内に食べきるようにしましょう。
長期保存したい場合は冷凍がおすすめです。
一食分ずつ小分けにし、しっかりと空気を抜いてラップで包み、冷凍保存用の袋や容器に入れて保存します。
冷凍保存の場合、風味の劣化を防ぐためにも1ヶ月以内に使うのがベストです。
ツラミ部位を味わいたい人へのアドバイス

ツラミは焼肉店や精肉店でもなかなか出回らない希少部位ですので、いざ食べたいと考えた場合、まずお店選びがポイントになります。
ツラミを提供している焼肉店や専門店を事前にリサーチして、取り扱いがあるかを調べておくと安心です。
ネットの口コミやSNSでも「ツラミが美味しい」と話題になっている人気のお店を見つけて予約するのが、失敗しないコツです。
もし精肉店やスーパーで手に入る場合は、鮮度の高いものを選びましょう。
ツラミは脂が少なくしっかりとした歯ごたえが特徴なので、薄切りにして焼肉やすき焼き、しゃぶしゃぶでシンプルに味わうのがおすすめです。
下処理次第で食感や風味が大きく変わるため、家庭で調理する際は包丁で余分な脂や筋を丁寧に取り除いてください。
味付けは塩やタレだけでなく、柚子胡椒やおろしポン酢など、さっぱりした薬味とも相性抜群です。
また、牛肉本来の旨味を引き立てる食べ方を選ぶことで、ツラミならではの味わいを存分に楽しめます。
初めて挑戦する場合は、多めに注文や購入せず、まずは少量から試してみるとよいでしょう。
自分好みの焼き加減や食べ方を見つけて、ツラミの魅力を存分に体感してください。