ステーキの「焼き加減」は、味の好みだけでなく、部位の脂や厚み、温度管理のしやすさまで含めて選ぶと失敗が減ります。
同じ牛肉でも、赤身は火を入れすぎると硬くなり、脂の多い部位は適度に火を入れると香りと甘みが立ちます。
この記事では「食感の満足度」「香ばしさ」「安全性」「家庭での再現性」を軸に、焼き加減をランキング形式で整理します。
中心温度の目安は、肉用温度計の基準として有用な温度チャートも参照しつつ、家庭の実用に落とし込みます。
ステーキの焼き加減ランキング7選
焼き加減は「どれが正解」ではなく、部位とシーンで最適解が変わります。
ただし迷ったときに選びやすいよう、満足度と再現性のバランスで順位付けしました。
温度はあくまで目安なので、最後は切り口の色と肉汁の出方で微調整してください。
ミディアム
迷ったらまずミディアムは、香ばしさとジューシーさの両立がしやすい万能ゾーンです。
脂の多いリブロースやサーロインは、脂が溶けて甘みが出やすく、満足度が上がります。
赤身でも極端に硬くなりにくく、家庭のフライパンでも狙いやすいのが強みです。
肉用温度計があるなら、中心温度で再現性が一気に高まります。
焼き上がり後の休ませ(余熱)で数℃上がるので、早めに火から外すのがコツです。
| 焼き加減 | ミディアム |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約60〜63℃前後 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心が薄いピンク/香ばしさ強め |
| 向いている人 | 初めてでも失敗したくない |
| おすすめ部位・厚み | リブロース/サーロイン/2〜3cm |
| 注意点 | 休ませ不足だと肉汁が流れやすい |
ミディアムレア
肉のうま味とやわらかさを強く感じやすく、人気が高いのがミディアムレアです。
赤身のステーキらしさが出やすく、噛むほどに肉の香りが広がります。
ただし表面はしっかり焼き固め、中心だけを狙う温度管理が必要になります。
家庭では厚めの肉を選び、強火で焼き色を付けてから弱火で仕上げると安定します。
脂が少ない部位ほど、焼きすぎのリスクが高いので短時間勝負が向きます。
| 焼き加減 | ミディアムレア |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約54〜57℃前後 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心が赤みのあるピンク/やわらかい |
| 向いている人 | 肉のうま味優先で食べたい |
| おすすめ部位・厚み | ランプ/イチボ/2〜4cm |
| 注意点 | 温度が上がりすぎると一気に硬くなる |
レア
レアは「やわらかさ」と「肉汁感」を最優先したいときに刺さる焼き加減です。
中心が赤く、食感がとても柔らかくなる一方で、温度が低いほど好みが分かれます。
表面を高温でしっかり焼いて香りを作ると、中心の生っぽさが気になりにくくなります。
赤身の上質な肉ほど相性が良く、スジが少ないカットで選ぶと満足度が上がります。
安全面が気になる場合は、中心温度の管理と、信頼できる鮮度の肉を選ぶ意識が重要です。
| 焼き加減 | レア |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約52℃前後 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心が赤い/肉汁多め |
| 向いている人 | やわらかさを最優先したい |
| おすすめ部位・厚み | ヒレ/シャトーブリアン/2〜3cm |
| 注意点 | 温度管理と鮮度選びが重要 |
ミディアムウェル
ミディアムウェルは、中心の赤みを少し残しつつ、火が通った安心感も欲しいときに便利です。
外食で「レアは不安だけど、ウェルダンほど固いのも嫌」という人にちょうど合います。
脂がしっかりある部位なら、パサつきを感じにくく、香ばしさも出しやすいゾーンです。
家庭だと余熱で上がりやすいので、火から外す温度を少し手前にすると狙いやすくなります。
肉汁はレア系より減るため、休ませ時間を丁寧に取るほど食べ心地が整います。
| 焼き加減 | ミディアムウェル |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約66℃前後 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心がうっすらピンク/香ばしさ強い |
| 向いている人 | 安心感と柔らかさを両立したい |
| おすすめ部位・厚み | リブロース/肩ロース/2cm前後 |
| 注意点 | 焼きすぎると一段パサつきやすい |
ウェルダン
ウェルダンは中心まで火が通り、赤みがほぼない焼き加減で、安心感を最優先したいときに選ばれます。
ただし赤身の部位だと水分が抜けやすく、噛み締め感が強くなりがちです。
厚みが薄い肉や、脂の多い部位を選ぶと、ウェルダンでも食べやすさが保ちやすくなります。
焼き時間が長くなる分、焦げやすいので、火力を落としてじっくり仕上げるのが安全です。
ソースやバターで補うよりも、塩加減と休ませで肉汁を残す意識が効いてきます。
| 焼き加減 | ウェルダン |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約70〜71℃以上 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心まで火が通る/肉汁は少なめ |
| 向いている人 | 赤みが苦手/安心感優先 |
| おすすめ部位・厚み | サーロイン/薄めのカット |
| 注意点 | 赤身は硬くなりやすい |
ブルーレア
ブルーレアは表面だけを短く焼き、中心はほぼ生に近い状態を楽しむ焼き加減です。
肉の生っぽい風味がダイレクトに出るため、鮮度と下処理の丁寧さが強く問われます。
上質な赤身で、クセが少ないカットだと魅力が出やすく、好きな人には刺さります。
一方で家庭で狙うと温度ムラが出やすく、好みの幅が極端に分かれるのが難点です。
初めてなら外食で試し、食感と香りの相性を確かめてから家庭に持ち込むと安全です。
| 焼き加減 | ブルーレア |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約48〜50℃前後 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心が赤く冷たい/非常にやわらかい |
| 向いている人 | 生に近い食感が好き |
| おすすめ部位・厚み | 赤身の上質肉/厚め推奨 |
| 注意点 | 鮮度と温度管理がシビア |
ベリーウェルダン
ベリーウェルダンはウェルダン以上に火を入れた状態で、赤みが完全になくなる焼き加減です。
提供側も乾きやすさを避けるため、薄いカットやソース前提で出すケースが多くなります。
「しっかり火が通った肉が好き」という好みに合えば満足できますが、素材の差は出にくい傾向です。
家庭で作るなら、肉を薄めにし、焼きすぎで焦げないように火力を徹底して落とします。
旨味を残すには、焼く前の塩の量と、休ませで乾燥を抑える工夫が重要になります。
| 焼き加減 | ベリーウェルダン |
|---|---|
| 中心温度目安 | 約75℃以上 |
| 特徴(食感・見た目) | 中心まで完全に火が通る/締まった食感 |
| 向いている人 | 赤みゼロが安心 |
| おすすめ部位・厚み | 薄切り/脂の多い部位 |
| 注意点 | 乾燥しやすいのでソース相性が重要 |
部位と厚みで焼き加減の「正解」は変わる
同じ焼き加減でも、赤身か脂多めかで「おいしさのピーク」がズレます。
厚い肉は温度の移動に時間がかかり、薄い肉は一瞬で焼き加減が進みます。
ここでは、迷ったときの選び方を部位と厚みから整理します。
赤身はレア寄りが満足度を作りやすい
赤身は脂が少ないぶん、火を入れすぎると水分が抜けて硬くなりやすい性質があります。
そのため「やわらかさ」を狙うなら、レア〜ミディアムレアのゾーンが有利になりやすいです。
ただし噛み締めが旨い部位もあるので、ミディアムまで上げて香ばしさを取る選択も成立します。
温度計がない場合は、表面の焼き色を先に作ってから、弱火で短時間だけ中心を温める意識が役立ちます。
- ランプ・イチボ:ミディアムレアが合わせやすい
- ヒレ:レア〜ミディアムレアが失敗しにくい
- モモ系:焼きすぎると硬くなりやすい
脂が多い部位はミディアムが強い
リブロースやサーロインのような脂が多い部位は、脂が溶けることで香りと甘みが伸びます。
このタイプはレアすぎると脂が重く感じることがあり、ミディアム前後が噛み心地のバランスを取りやすいです。
外側の香ばしさと、内側のジューシーさが両立しやすいので、ランキングでも上位に置きやすいゾーンです。
脂の融点を意識して、中心温度を安定させると「お店っぽい香り」が出やすくなります。
厚み別のおすすめ焼き加減早見表
厚い肉ほど中心の温度上昇が遅く、狙った焼き加減に止めやすい一方で、仕上げに時間がかかります。
薄い肉は焼き加減が一気に進むので、レア寄りを狙うなら強火で短時間の勝負になります。
厚みに合わせて「狙いやすい焼き加減」を先に決めると、焼き時間の迷いが減ります。
| 厚みの目安 | 狙いやすい焼き加減 | 理由(短く) |
|---|---|---|
| 〜1.5cm | ミディアム〜ウェルダン | 温度が上がりやすい |
| 2〜3cm | ミディアムレア〜ミディアム | 調整幅が広い |
| 3cm以上 | レア〜ミディアムレア | 中心を残しやすい |
迷ったら店ではこう注文する
初めての店や部位が分からないときは、まず「ミディアム」で頼むと外れにくいです。
赤身が好きでやわらかさ優先なら「ミディアムレア」、赤みが苦手なら「ミディアムウェル」に寄せると安心です。
鉄板提供で追い焼きできる店なら、ミディアムレアで頼んで自分で調整するのも賢い方法です。
注文時に「中心は赤めが好き」「脂はしっかり溶けた方が好き」など感覚で伝えるのも有効です。
中心温度で決めるとブレない
焼き加減を安定させる最短ルートは、中心温度を基準にすることです。
見た目だけだと肉の厚みや火力でズレやすく、狙いが外れやすくなります。
ここでは温度の目安と、家庭で起きやすい「余熱」の罠を整理します。
温度目安の基準は「チャート」で覚える
一般的な温度チャートでは、レア、ミディアムレア、ミディアム、ウェルダンなどが温度で整理されています。
目安があるだけで判断が速くなり、焼き色を付ける工程と仕上げ工程を分けやすくなります。
温度の考え方は、例えばステーキ温度チャートの解説や、ドネネスの温度一覧が参考になります。
| 焼き加減 | 中心温度の目安(℃) | 参考 |
|---|---|---|
| ブルーレア | 48〜50 | Steak School |
| レア | 52前後 | Certified Angus Beef |
| ミディアムレア | 54〜57 | Certified Angus Beef |
| ミディアム | 60〜63 | Steak School |
| ウェルダン | 70〜71以上 | Certified Angus Beef |
余熱で温度が上がるのが最大の落とし穴
肉は火から外しても内部の熱移動が続くため、休ませ中に中心温度が上がります。
この「余熱」を見越さずに焼き続けると、狙った焼き加減を一段飛び越えやすくなります。
厚い肉ほど余熱の影響が大きいので、温度計があるなら早めに外して休ませで仕上げます。
休ませの目安は数分からですが、肉汁が落ち着くまで待つほど切ったときに流れにくくなります。
温度計がないときの代替チェック
温度計がない場合は、押したときの反発や、表面の弾力で目安を取る方法が紹介されています。
例えば手のひらの感触に例えるチェックは、家庭でも試しやすい部類です。
ただし肉質や厚みでブレるため、最初は一度切って断面の色を見て学習するのが近道です。
- 焼き色が付いたら火力を落として中心を調整
- 休ませ後に切って断面で次回の時間を補正
- 薄い肉ほど「時間」より「火力」を下げる
店で困らない焼き加減の言い方
外食では英語表記や細かい段階を聞かれることがあり、慣れていないと迷いやすいです。
ここでは焼き加減の呼び方と、伝え方のコツをまとめます。
「自分の好み」を短く言えるようにすると、オーダーが楽になります。
英語表記はこの範囲を覚えれば十分
ステーキの焼き加減は、英語で表記されることが多く、代表的な語を押さえると安心です。
レア、ミディアムレア、ミディアム、ミディアムウェル、ウェルダンが分かれば大半の店で通じます。
より細かい段階として、ブルーやベリーウェルダンなどが挙がることもあります。
| 日本語 | 英語 | メモ(短く) |
|---|---|---|
| レア | rare | 赤い中心 |
| ミディアムレア | medium rare | 赤みのあるピンク |
| ミディアム | medium | 薄いピンク |
| ミディアムウェル | medium well | うっすらピンク |
| ウェルダン | well done | 赤みほぼなし |
英語表記の段階例は、焼き加減を10通りとして紹介している解説も参考になります。
好みを一言で伝えるテンプレ
言葉だけで迷うときは、「中心は赤め」「脂はしっかり溶ける方」など感覚で補足すると伝わりやすいです。
特に部位の指定がある店では、部位に合わせておすすめの焼き加減が提案されることもあります。
自分の軸が「やわらかさ」なのか「香ばしさ」なのかを先に決めると、会話が短く済みます。
- やわらかさ優先:ミディアムレア寄り
- 香ばしさ優先:ミディアム寄り
- 安心感優先:ミディアムウェル寄り
鉄板提供は「攻め」やすい
熱い鉄板で提供される店では、提供後も火が入るので、最初は一段レア寄りで頼むと調整しやすいです。
切ってから鉄板で数十秒置くことで、自分の好みのところで止めやすくなります。
ただし置きすぎると一気にウェルダン側に進むため、少しずつ試すのが安全です。
ソースは最初から全部かけず、肉の味を見てから足すと焼き加減の違いが分かりやすくなります。
家庭で成功率を上げる焼き方のコツ
家庭での失敗は「焼きすぎ」と「休ませ不足」に集約されやすいです。
高い肉ほどもったいなく感じるので、手順をシンプルにして再現性を上げます。
ここでは、ランキング上位の焼き加減を家で再現するための要点をまとめます。
最大の失敗は焼きすぎになりやすいこと
家庭では「生が怖い」気持ちが働き、結果として焼きすぎに寄りがちです。
焼きすぎると水分が抜けて硬くなり、香りよりも乾きが目立ってしまいます。
肉屋や料理メディアでも、焼きすぎが最大のミスになりやすい点が指摘されています。
基本の流れを短いチェックリストにする
手順を増やしすぎると、火力と時間の判断がブレて逆に失敗します。
まずは「焼き色」「火力を落とす」「休ませる」の3点に絞ると安定します。
肉用温度計があるなら、最後は温度で止めれば、経験が少なくても再現できます。
- 最初は強火で焼き色を付ける
- 途中で火力を落として中心を整える
- 焼けたら休ませて肉汁を落ち着かせる
焼き加減別に「火から外す温度」を決める
余熱で数℃上がる前提にすると、狙いの焼き加減に止めやすくなります。
例えばミディアムレア狙いなら、中心温度が目安に近づいた時点で外し、休ませで仕上げます。
目安温度はチャートを参考にしつつ、肉の厚みで余熱幅を増減させてください。
| 狙い | 火から外す目安 | 休ませ後の狙い |
|---|---|---|
| ミディアムレア | 52〜54℃前後 | 54〜57℃前後 |
| ミディアム | 58〜60℃前後 | 60〜63℃前後 |
| ウェルダン | 68℃前後 | 70℃以上 |
ランキングを活かして自分の「定番」を決める
最初の1回で完璧に当てるより、「基準の焼き加減」を1つ決めて微調整する方が早く上達します。
迷ったらミディアムを基準にし、赤身ならミディアムレア、安心感ならミディアムウェルへ動かすのが実用的です。
中心温度と休ませを覚えると、どの焼き加減でも再現性が上がり、ランキングが「使える知識」に変わります。
次にステーキを焼くときは、厚みと部位を確認してから焼き加減を選び、温度か断面で一度だけ検証してみてください。
