冷蔵庫に常備しているのに、使い方や選び方で迷ってしまう人は多いでしょう。
鶏ひき肉とはどんな部位が使われ、ももやむねでどう違うのか知りたい方も多いはずです。
適切な保存や調理法を知らないとパサつきや食中毒のリスクも出てきます。
この記事では栄養やカロリー、選び方から下ごしらえ、定番レシピや安全対策まで実用的に解説します。
まずは基本の違いと向き・加熱での食感変化から、毎日の献立で生かすコツまで順を追って紹介します。
詳しい表示の見方や解凍保存のコツも押さえれば無駄なく使い切れます。
鶏ひき肉とは何に向く挽き肉か

鶏ひき肉は鶏肉を細かく挽いたものを指します。
部位や挽き方で脂肪分や食感が変わり、料理の向き不向きがはっきり分かれます。
ももひき肉の特徴
ももひき肉は色が濃く脂肪が多めで風味が強いです。
ジューシーさがあり、焼き物やハンバーグのような形のある料理に向いています。
つなぎなしでもまとまりやすく、味が深く出やすいのが利点です。
むねひき肉の特徴
むねひき肉は色が淡く脂肪が少ないためあっさりとした味わいです。
低脂肪なのでヘルシー志向の料理やソースに溶け込ませる料理に向いています。
乾きやすいので調味や油分の補助があると柔らかさを保ちやすいです。
脂肪分と食感
脂肪分が多いほど口当たりが滑らかでジューシーになります。
逆に脂肪が少ないと引き締まった食感になり、歯ごたえが出ます。
料理に応じて油を足したりパン粉や卵でつなぎを入れると食感を調整できます。
向いている料理
鶏ひき肉は部位や挽きの粗さで使い分けると失敗が少ないです。
- ハンバーグ・つくね
- そぼろご飯
- 餃子の具
- ミートソース
- コロッケ・メンチカツ
脂肪多めのももひき肉は成形して焼く料理が得意です。
脂肪少なめのむねひき肉はスープや和え物、炒め物に向きます。
加熱による食感変化
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加熱時間と温度で水分の抜け具合が変わり、食感が大きく左右されます。
粗挽き
粗挽きは粒感が残り肉の旨味と歯ごたえを楽しめます。
ハンバーグやつくね、つなぎを少なめにした料理に適しています。
噛むほどに肉の風味が広がるため、シンプルな味付けでも存在感があります。
細挽き
細挽きは舌触りが滑らかでソースや餡に馴染みやすいです。
そぼろやミートソース、餃子の具のように全体になじませたい料理に向きます。
繊細な食感にしたいときは細挽きを選ぶと仕上がりが整います。
鶏ひき肉の栄養とカロリー

鶏ひき肉は部位や皮の有無で栄養成分が大きく変わる食材です。
たんぱく質が豊富で比較的低脂肪な点が人気の理由になっています。
表示する栄養値は製品や加工方法によって差が出るため、おおよその目安としてご覧ください。
たんぱく質量
鶏ひき肉は100gあたりおおむね18〜22g前後のたんぱく質を含むことが多いです。
とくに鶏むね肉由来のひき肉はたんぱく質比率が高めになります。
必須アミノ酸をバランスよく含んでいるため、筋肉づくりや成長期の栄養補給に向いています。
脂質・カロリー
鶏ひき肉の脂質とカロリーは皮の有無や部位によって差が大きくなります。
調理時に出る脂を取り除くことで摂取エネルギーを抑えられます。
- 鶏むね(皮なし)ひき肉:脂質約5g、エネルギー約120kcal/100g
- 鶏もも(皮つき)ひき肉:脂質約15g、エネルギー約230kcal/100g
- 市販の混合タイプ:脂質・カロリーは中間値
低脂肪を重視する場合は皮を取り除いたり、加熱後に余分な脂を拭き取ると効果的です。
ビタミン・ミネラル
鶏ひき肉にはナイアシン(ビタミンB3)やビタミンB6が比較的多く含まれます。
これらのビタミンはエネルギー代謝や皮膚・神経の健康に関わります。
ミネラルではリンやカリウム、鉄や亜鉛が含まれていますが、鉄は牛肉に比べるとやや少ない傾向があります。
ビタミンやミネラルは加熱での損失があるため、調理法を工夫して摂ると良いです。
他のひき肉との比較
鶏、豚、牛のひき肉を栄養面で比べると脂質量とカロリーに明確な差が出ます。
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全体として鶏ひき肉はたんぱく質が高く、脂質とカロリーが比較的低めでヘルシーな選択肢になります。
鶏ひき肉の選び方

鶏ひき肉とは鶏肉を細かく挽いた加工品で、料理の幅が広い食材です。
選ぶときは鮮度、使用部位、価格と品質のバランスを見て判断するのが基本です。
鮮度の見分け方
色は鮮やかなピンク色から赤みがかった色が新鮮の目安です。
表面がドロッとしすぎていないか確認すると鮮度の低下を見抜けます。
においはほのかな鶏肉の香りで、酸っぱい臭いや強い臭いがあれば避けてください。
パッケージの賞味期限と製造日表示も必ずチェックしましょう。
部位表示の判断基準
部位表示は味わいや脂の量に直結するため用途に合わせて選ぶことが大切です。
表示が「むね肉」「もも肉」「ミックス」などになっている点を確認してください。
- むね肉:脂が少なくあっさり。ヘルシー志向に向く。
- もも肉:脂が多めでコクがある。ジューシーな仕上がりになる。
- ささみ:さらに低脂肪で淡白。歯ごたえを残したい料理向け。
- ミックス:コストパフォーマンスが良く万能。
価格と品質の見極め
価格が極端に安いものは添加物や水分が多く含まれている場合があるので注意してください。
適正価格帯は販売店や地域、パッケージ量によって変わるため比べて判断しましょう。
価格帯 | 品質チェックのポイント |
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鶏ひき肉の表示の見方

鶏ひき肉のラベルから読み取れるポイントをわかりやすく整理しました。
表示を正しく確認すると用途や保存方法の判断がしやすくなります。
原材料表示
原材料表示は何が使われているかを把握するための基本情報です。
鶏ひき肉では部位や添加物、つなぎの有無に注目してください。
部位が記載されていると脂の量や風味の目安になります。
- 鶏肉(むね肉、もも肉、皮など)
- つなぎ(でん粉、パン粉、卵白など)
- 調味料(食塩、砂糖、アミノ酸等)
- 増量剤や保存料の有無
- 原産地表記(国産、ハーブ飼育など)
つなぎや増量剤が入っていると食感や料理の仕上がりが変わるので用途に合わせて選びましょう。
味付けされた商品はそのまま調理できる反面、味の調整が難しくなる点に注意してください。
保存期限表記
保存期限の表記は安全に食べられる期間を示す重要な情報です。
消費期限と賞味期限は意味が異なるので見分けて確認してください。
保存方法の表示に合わせて冷蔵か冷凍かを判断すると鮮度管理がしやすくなります。
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表示された期限と実際の保管状況を照らし合わせて安全に消費してください。
加工品の表示チェック
惣菜や加工品に使用される鶏ひき肉は表示がより詳しくなることがあります。
「加熱済み」「調味済み」「混合肉」といった表記は用途や風味に直結します。
アレルギー表示や原産地表示は必ず確認してください。
加工品では添加物名が省略形で記載されることがあるため、気になる成分は調べると安心です。
できるだけシンプルな原材料のものを選べば、調理の幅が広がり失敗が少なくなります。
鶏ひき肉の保存と解凍の方法

鶏ひき肉とは、鶏の部位を細かく挽いた肉で、扱いやすさと低脂肪が魅力です。
冷蔵保存の目安
冷蔵庫では購入後1〜2日が目安です。
保存温度は4℃以下が望ましいです。
開封後はできるだけ空気を抜いて密閉容器に入れてください。
冷蔵庫の冷える下段や奥に置くと温度変動が少なく安全です。
冷凍保存の手順
長期保存する場合は冷凍が最適です。
使う分量ごとに小分けにしておくと後で便利です。
- 小分けにする(100〜200g目安)
- ラップでぴったり包む
- 冷凍用保存袋に入れて空気を抜く
- 日付を記入して冷凍庫で平らにして凍らせる
フリーザーバッグは中身を平らにして薄く凍らせると解凍や保存がしやすくなります。
解凍時の注意点
解凍は衛生面で特に注意が必要です。
解凍方法 | ポイント |
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常温で長時間放置して解凍するのは細菌増殖のリスクがあるため避けてください。
再冷凍の可否
生の鶏ひき肉は一度完全に解凍したら再冷凍は避けるのが基本です。
再冷凍すると品質が落ちるだけでなく安全性にも影響が出る可能性があります。
ただし、解凍後すぐに十分に加熱調理した場合は、調理済みの状態で冷凍保存できます。
再冷凍する場合は加熱前後の温度管理と保管方法に注意してください。
鶏ひき肉の下ごしらえと調理テクニック

鶏ひき肉とは鶏肉を細かく挽いたもので使いやすさが魅力です。
脂肪が少なめで淡泊な味わいなので下ごしらえや調理法で仕上がりが大きく変わります。
臭み取りの方法
鶏ひき肉の臭みは下処理でかなり抑えられます。
まずは軽く水で洗ってペーパーで水気を取ると雑味が減ります。
- 塩もみ
- 牛乳に短時間漬ける
- 酒と生姜で下味をつける
- 片栗粉で揉んで洗い流す
どの方法もやりすぎると旨味が抜けるので短時間で手早く行ってください。
ふんわりにするつなぎ
鶏ひき肉は粘りが出にくいのでつなぎを工夫するとふんわりします。
溶き卵を少し加えるとつなぎになりつつコクが出ます。
牛乳や水で緩めると蒸し焼きやハンバーグでやわらかさが出ます。
片栗粉や片栗粉と水を合わせたものを使うと肉汁を閉じ込めやすくなります。
パン粉やすりおろした玉ねぎを混ぜるとしっとり感が増します。
焼き調理のコツ
焼くときは最初に強めの火で表面をさっと焼いて旨味を閉じ込めます。
一度にたくさん入れすぎると蒸れて水っぽくなるので分けて焼くとよいです。
中火〜中弱火でじっくり火を通すと中までふんわり仕上がります。
フライパンに油を薄く引いてこまめに向きを変えずに焼き色を付けると香ばしさが出ます。
焼き上がりに少し休ませると肉汁が落ち着いてジューシーになります。
下味付け
下味はシンプルでバランスをとると料理全体がまとまりやすくなります。
用途に合わせて塩分や香辛料を調整するのがポイントです。
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下味は少し薄めにしておき、仕上げで味を調整すると失敗が少ないです。
鶏ひき肉を使った定番料理

鶏ひき肉は鶏肉を細かく刻んだもので、脂肪が少なくヘルシーな食材です。
淡白な味わいで味がしみ込みやすく、和洋中さまざまな料理に合います。
調理しやすく短時間で火が通るため、忙しい日にも重宝します。
鶏そぼろ
鶏そぼろはご飯にのせたりお弁当に使ったりする定番のおかずです。
砂糖、醤油、みりんで味付けしてふんわりと炒りつけるのが基本です。
弱火で水分を飛ばしながら木ベラでほぐすと粒がきれいに仕上がります。
冷蔵で数日保存できるので、多めに作っておくと便利です。
つくね
つくねは鶏ひき肉の旨味を活かした丸め料理で、串に刺して焼くことが多いです。
- 卵と片栗粉でつなぐ
- 長ねぎや生姜を混ぜて風味を出す
- ふんわり仕上げるために強くこねすぎない
- 焼き上げに照りを出す甘辛だれ
形を整えたら中火でじっくり火を通すとふっくら仕上がります。
鶏団子スープ
鶏団子スープはあっさりしていて子どもから大人まで食べやすい一品です。
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鶏団子は練りすぎないで丸めると柔らかく仕上がります。
煮すぎると固くなるので、団子を加えたら軽く火を通す程度に留めるのがコツです。
鶏ひき肉の餃子
鶏ひき肉を使った餃子は軽い食感になるのが魅力です。
水分が出やすいので、キャベツはしっかり絞って合わせると扱いやすくなります。
片栗粉や卵を少量加えると具がまとまりやすくなります。
焼き餃子にする場合は最初に強火で底を香ばしく焼いてから蒸し焼きにするとパリッと仕上がります。
鶏ひき肉の麻婆風
鶏ひき肉で作る麻婆風は脂っこさが抑えられてさっぱりと食べられます。
豆板醤や甜麺醤でしっかりとした味付けにするのがおすすめです。
最後に水溶き片栗粉でとろみをつけるとご飯が進む一皿になります。
好みで山椒や辣油を加えて辛味を調整してください。
鶏ひき肉を使う際の安全対策

鶏ひき肉は扱いやすい食材ですが菌が繁殖しやすいため扱いに注意が必要です。
適切な保存と加熱を行えば安全においしく食べられます。
以下のポイントを押さえて調理と保存を行ってください。
食中毒予防
鶏ひき肉は細かくなっているぶん表面積が大きく菌が増えやすい特徴があります。
購入後はなるべく早く冷蔵または冷凍し、長時間常温に放置しないでください。
解凍は冷蔵庫内で行い、室温での自然解凍やぬるま湯での急速解凍は避けてください。
- 冷蔵は4℃以下
- 購入後は24時間以内に使用が望ましい
- 冷凍は-18℃以下で保存
- 解凍後は再冷凍しない
中心温度の目安
鶏肉は十分に加熱することで食中毒のリスクを下げられます。
中心温度は75℃以上を目安にし、中心温度計で確認するのが確実です。
串や箸で刺して出る肉汁が透明であれば目安の一つになりますが、温度計で測るのが最も確実です。
ミンチ状のため均一に火が通りにくい場合は一度にまとめて焼かず、小さめに広げて加熱する方法が有効です。
交差汚染防止
生の鶏ひき肉に触れた器具やまな板、手から他の食材へ菌が移る交差汚染に注意してください。
調理前後で使用する器具やまな板を分けるか、都度しっかり洗浄・消毒する習慣をつけましょう。
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手洗いは必須で、調理中に生肉に触ったら石鹸で十分に洗ってください。
幼児・高齢者への配慮
幼児や高齢者、体調が優れない人は食中毒にかかると重症化しやすいため特に注意が必要です。
必ず中心温度を確認し、十分に火を通した状態で提供してください。
味付けは塩分やスパイスを控えめにし、喉に詰まらせないように柔らかく調理することを心がけてください。
生卵や生の調味料と混ぜるような料理は避け、安全が確認された製法で調理するようにしてください。
毎日の献立で鶏ひき肉を活用するポイント

鶏ひき肉は火が通りやすく調理時間を短縮できるので、忙しい日の献立に便利です。
味付けは塩・胡椒や醤油ベースの簡単なものから、カレー風味や中華だれなどバリエーションを持たせると飽きにくいです。
野菜と合わせてかさ増しすると栄養バランスとコスパが良くなります。
下味をつけて小分け冷凍しておくと使いたい分だけ解凍できて時短になります。
生焼けにならないよう中心までしっかり火を通すことと、解凍後は再冷凍しないことを心がけてください。
肉団子やそぼろ、ハンバーグなど用途を決めてアレンジすると毎日の献立が楽になります。